債券は上昇、5年入札順調や緩和観測で買い-30年利回り連日最低更新

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  • 新発30年債利回り0.33%まで低下、新発20年債利回りも過去最低更新
  • 5年入札結果:最低落札価格は予想を上回り、応札倍率は上昇

債券相場は上昇。新発30年債利回りは連日で過去最低を更新した。この日実施の5年債入札が順調な結果となったことや日本銀行による追加緩和観測などを背景に買いが優勢となった。

  19日の長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比5銭安の151円86銭で取引を開始し、いったん151円83銭まで下落した。午後に入ると、5年債入札結果を受けて水準を切り上げ、152円02銭まで上昇した。結局は9銭高の152円00銭で引けた。

  UBS証券の井川雄亮デスクアナリストは、「5年債入札結果が強かったことが相場を押し上げた。午前は5年、7年ゾーンはそこまで強くなかった。一部報道で黒田東彦総裁が追加緩和に前向きの発言が伝わり、国債買い入れ増額を連想して超長期債相場は強かった」と説明した。

  黒田日銀総裁はウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、ここ数カ月の円高でインフレ率の2%への押し上げに向けた取り組みが損なわれる恐れがあり、追加緩和措置につながる可能性もあるとの認識を示した。日銀は27、28日に金融政策決定会合開く。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の342回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ばいのマイナス0.12%で開始後、いったん0.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.115%を付けた。その後はマイナス0.125%を付けている。

  新発20年物の156回債利回りは0.5bp高い0.295%で始まり、一時0.27%まで低下して過去最低を更新した。新発30年物の50回債利回りは0.5bp低い0.36%で始まった後、徐々に水準を切り下げ、0.33%と前日に記録したこれまでの最低0.355%を下回っている。

  みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、「付利引き下げの思惑が市場の中にはある上、追加緩和がなかったとしても日銀買いオペは年限の調整で残存3―5年が増額されやすい。付利引き下げの思惑は残り続けるため、5年金利は中長期的にマイナス幅拡大の余地があるとみている。日銀会合までは思惑が相場全体を支えそうだ」と分析した。  

  みずほ証の辻氏は、「超長期債は前日の終値水準にすぐ買い注文が入るなど底堅い。20年入札に対する楽観的な見方が影響しているのではないか。外債投資環境があまり良くない中で、追加緩和への期待もあり、月内はしっかりした展開が続くだろう」と語った。

5年債入札

  財務省が午後発表した表面利率0.1%の5年利付国債(127回債)の入札結果によると、平均・最高落札利回りともに過去最低を更新した。最低落札価格は101円60銭と、市場予想の101円58銭を上回った。投資家需要を反映する応札倍率は4.36倍と、前回3.59倍から上昇した。小さければ好調なテール(平均と最低落札価格の差)は2銭と、前回5銭から縮小した。

  UBS証の井川氏は、「午前は不透明感から売られたが、午後は5年債入札でしっかりした需要が確認できたので買いが入っている」と指摘。「海外勢が買うといっても、3月に比べてベーシススワップはタイトになっているので、ドル建て日本国債は妙味が薄れている。ただ金利が低下して短期国債や5年債までも担保にする需要がみられている」と語った。

  18日の米国債相場は下落。米10年債利回りは前週末比2bp上昇の1.77%で引けた。米株相場の上昇が売り手掛かりとなった。ダウ工業株30種平均は同0.6%高の18004.16ドルで引けた。

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