クレディS:日本企業の決算プレビューを中止へ、野村なども自粛

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クレディ・スイス・グループが日本の株式調査業務の一つとしてアナリストらが行ってきた企業の業績プレビュー活動を中止することが分かった。クレディ・スイス証券は証券取引等監視委員会から15日、法人関係情報の管理などで法令違反があったと指摘されている。

  クレディ・スイス証は毎年2回、都内で機関投資家向けのプレビューマーケティングを4月と10月に開催しているが、このイベントの中止を決定した。今後はアナリストが決算プレビューのため企業を訪問することもやめる。同社の福島治子広報担当がブルームバーグの取材に応えた。

  日本の金融当局はインサイダー取引などを未然に防ぐため、証券会社の調査部門が企業情報を適切に取り扱っているかどうか内部管理体制を軸に検査などに取り組んでいる。監視委は昨年12月、ドイツ証券に情報管理で不備があったとして行政処分を勧告。これを受け金融庁は業務改善命令を出した。

  証券監視委は15日、クレディSのアナリストが上場企業の未公表情報を顧客に提供するなど、法人関係情報の管理に不備があったと指摘した。監視委によると、あるアナリストは2015年9月に公表前の業績予想を顧客や営業員に電話で伝え、同営業員が少なくとも33顧客に買い付けの勧誘を行った。

内部管理体制強化へ

  クレディSは処分勧告を受け、15日付のリリースで「このたびの勧告を真摯(しんし)に受け止め、内部管理体制について継続してその強化に努めていく」などと述べた。

  同社では「決算プレビューと投資戦略」として、金融、鉄鋼、化学、医療、通信、自動車など12ー13セクターで年2回プレビューマーケティングを開催していた。昨年10月も開催されていた。

  クレディSの福島広報担当によれば、同社では今後はこうしたイベントを行わず、アナリストによる決算プレビューリポートも発行しないという。理由についてはコメントしなかった。

野村、みずほ、大和でも自粛の動き

  こうした中、国内証券でもアナリストが業績動向について企業から詳細を直接取材し、決算プレビューに反映することを自粛する動きが広がっている。

  野村ホールディングスの山下兼史広報担当によれば、野村証は12月から企業への取材に基づいた決算予想は行わないことにした。野村がこうした自粛を行うのは初めて。ただ、アナリストの独自分析によるプレビューは引き続き発信していくという。

  みずほ証券の矢田優作広報担当によると、同証でも決算プレビューの発行を中止、アナリストによる取材も現在は行われていないという。また、大和証券グループ本社の青山弘樹広報担当は、今年に入り企業取材に基づく決算プレビューの発行を中止したと述べた。

  金融庁は昨年12月、ドイツ証に業務改善命令を発令した。14年12月ごろ、同証のアナリストが取材を通じある上場企業の公表前の四半期業績に関する法人関係情報を取得、その日のうちに営業担当者21人と顧客1社に電子メールなどで提供。これに基づき2営業員が同日中に3顧客にその会社の株式売買の勧誘を行っていた。

英文記事:Credit Suisse Halts Japan Earnings Previews Following Probe (2)

(第10段落に国内証券の動向を追加しました.)
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