伊藤忠社長「全社員総活躍企業」掲げる、朝型勤務や育児などで支援

  • 加藤一億総活躍相が伊藤忠の取り組みを視察し「横展開する」
  • 政府の方針にも沿って働き方改革で一歩先を行く-岡藤社長

「一人一人の力をいかに結集するかが企業にとって大事」と語るのは伊藤忠商事の岡藤正広社長。「挑戦」としていた従来の中期経営計画のスローガンを、4月から「商社新時代をリードする全社員総活躍企業」へと変えたことを明らかにした。安倍晋三政権が掲げる「ニッポン一億総活躍プラン」を引き合いに「政府の方針に沿って一歩先を行く」と語る。

  岡藤社長は18日、「社員一人一人がいろんな立場でどれだけ力を十分に発揮できるか、そのための方策を考えてきた」と記者団の質問に答えた。その一環が朝型勤務や育児支援制度など。2013年10月から午後8時以降の残業は原則禁止、同10時以降は禁止として、始業前の午前5時から9時までの早朝勤務には割増賃金を付けて朝型勤務を促す制度を導入した。また育児休業中の社員が待機児童問題に悩むことなく安心して復職できるよう、社員用託児所を都内本社(港区)の隣に設置した。

  朝型勤務の奨励では午前6時30分から同8時前までは社員食堂でおにぎりやサンドイッチ、バナナといった軽食や飲み物などが用意されており、社員は3品まで無料。現在は東京本社の社員約2000人のうち1日平均で約1000人の社員が利用しているという。残業禁止以前は午後10時以降に退社する社員が約10%いたが、今ではゼロとなった。

  18日朝には加藤勝信一億総活躍相がこうした様子を視察するため伊藤忠本社を訪問。社員が朝食を手にする様子や本社の隣にある託児所を見て回った。視察後に記者団に対して「働き方改革としてこうした好事例を横展開していきたい」と述べた。5月に政府がまとめる予定の「ニッポン一億総活躍プラン」は強い経済、子育て支援、社会保障の3つの矢に加えて横軸として生産性の向上、働き方改革などが主軸になると説明した。

  「お客さんよりも先に来て、もっともっと謙虚な姿勢でやらないと商社はだめになるという気持ちから始めたが、これだけ効果が出るとは思わなかった」と岡藤社長。「朝型勤務も進化させていく」としてさらなる改善を図る考え。働き方の改革に取り組んだことで、結果として好業績につながっている面もあるとの認識も示した。

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