熊本城にも爪痕深く、隆起した道にガラス散乱-続く余震の不安

更新日時
  • カップ麺や携帯充電器に需要、「炊き出しで役立ちたい」とすし店長
  • 倒壊した町並み、ボランティアの助け求める益城町民

14日の震度7の熊本地震の後も大きな揺れが続く熊本市では、至る所に巨大地震の爪痕が残されている。被害の大きかった益城町では、がれき整理に追われる町民からボランティアを求める声が上がった。

  市の中心部にある熊本城では、石垣が複数カ所で崩れ落ちたほか、天守閣の瓦が落下。城壁の一部も倒れた。熊本城の近くには、首が取れた仏像が放置された寺院や石柱が倒れたままになっている神社もある。熊本市シルバー人材センターの橋本宣男さん(73)は「熊本城がこんな無残な姿になるとは残念でならない。一日も早く復興してほしい」と話す。

Damaged Kumamoto Castle.

Photographer: Emi Urabe/Bloomberg

  市街地では、地震の影響で道路が隆起したり、建物から落下したガラスが散乱している。コンビニや飲食店もほとんどが閉店している。あるコンビニでは、ジュースなどを入れた棚が倒れたまま放置されていた。

  「レトルトのカレー入荷しましたよ。レンジで温めるだけ」。ドン・キホーテ熊本中央店(熊本市中央区)の前では威勢のよい声が響く。ドン・キホーテ九州支社長の坂元康之さん(42)が自ら来店を呼びかけていた。

  呼び声で集まってきた被災者たちの間でよく売れているのは水とカップ麺、レトルト食品と携帯電話の充電器や懐中電灯など災害時に必要なものばかりだ。地震で店内が崩れたため、2階は閉鎖している。店員も被災者なので、営業時間を短縮して対応したという。坂本さん自身も業務に追われ「3日で5時間しか寝ていない」が、復旧を急いでいる。

食事で元気を

  おいしい食事は被災者を元気付けてくれる。「築地すし鮮・熊本総本店」は、無料で炊き出しを始めた。じゃことおかかのおにぎりと味噌汁、たくあんのセットを、昼と夜で250食配った。
 
  炊き出しを始めるという知らせが、ネットを通じて広がったらしい。午後5時ごろに配布した分は15分でなくなった。店長の梅田博行さん(43)は「明日はより多く配りたい。食事がないのが一番辛いので、少しでも役に立ちたい」と話した。

Residents line up for free food.

Photographer: Emi Urabe/Bloomberg

  熊本市役所には、地震から逃れてきた多くの市民が床にシートを引いて休んでいた。余震続きで夜に眠れなかったためか、寝ている姿が目立つ。中には赤ん坊を連れた母親の姿もある。避難してきた熊本市の通訳、山本保さん(68)は「市役所は建物が大きく、人がたくさんいる安心感がある。余震が長く、いつ終わるか分からない」と不安を隠さなかった。

腕がパンパン

  小林千代子さん(71)は14日の地震のあとマンションを飛び出し、公園で過ごした。寒さが刺さるようだったが誰かが毛布を配ってくれて本当にありがたかったとし、いまは市役所に身を寄せている。「炊き出しや食料、水などを配ってもらって、親切にしてもらって本当に感謝している」と話した。

Intensity map of Kumamoto earthquake on Saturday April 16, 2016, at 1:25 a.m. JST
Intensity map of Kumamoto earthquake on Saturday April 16, 2016, at 1:25 a.m. JST

  震度7を観測した益城町に住む富永美代子さん(70)は、「本当に怖かった。生きた心地がしなかった」と語る。14日夜に自宅から避難し、16日の本震の後に家を見に帰ると、玄関は倒れた棚でふさがっており、畳敷きの居間は襖や障子が全て外れて散乱。屋内に一歩も入れず、居間は雨ざらしになっていた。

  美代子さんは、雨露と泥棒よけに張ったブルーシートをめくりながら、「本当はもっと片付けたいけど重くって。お父さんの腕もパンパンに腫れてしまった。ボランティアの人が来てくれれば助かる」と話した。

生家全壊

  倒壊した家が連なる益城町の木山下町通りで生まれ育った坂井修二さん(32)は、全壊した生家を前に、「最初見たとき、泣きそうだった」と語る。1回目の揺れの後、家財を片付けて住める状態だったが、基礎がずれていた。本震の時にはそこに住む両親は避難していて助かった。本震で古い母屋は全壊、新しい母屋も1階部分はぺしゃんこに潰れた。

  熊本市内で食品会社に勤める坂井さんは職場の片付けを終えて18日、実家に駆けつけた。「ご先祖の位牌だけは」という母親の願いを聞いて、倒壊した実家に潜り込んで、先祖の位牌と遺影、母親の嫁入り道具のミシン、曽祖母の仕立てた七五三用の着物を取り出した。黒いズボンは真っ白に汚れていた。


Japan's Earthquakes: Handling the Aftermath

earthquake-tout

Two major earthquakes hit southern Japan in less than two days


(第10段落以降に益城町の様子を追加しました.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE