三菱商社長:商社トップの利益譲らない態勢へ-非資源が成長エンジン

  • 資源資産の絶対額は増やさず、積極的な入れ替えで対応
  • キャッシュフローからの新規投資は非資源に充て安定収益構造に拍車

三菱商事の垣内威彦社長は18日、ブルームバーグとのインタビューで、16年ぶりに純利益で総合商社トップの座を明け渡したことに関し、「2度と1位から陥落しない態勢にしたい」と述べ、非資源事業を利益のけん引役として首位奪還への意気込みを示した。前期(2016年3月期)は、伊藤忠商事が過去最高の純利益を計上し、初の商社トップに躍り出る見通しとなっている。

  1日付で社長に就任した同氏は「資産ポートフォリオの再構築が喫緊の課題」と述べ、今期(17年3月期)から始まる3年間の新中期経営計画で「資源は入れ替えに終始して絶対額を増やさず、非資源での成長エンジンを求める」との方針を示した。

  同社は3月、チリ銅事業や豪州の液化天然ガス(LNG)事業など資源分野を中心に約4300億円の減損損失を計上すると発表。連結最終損益を1500億円の損失へと下方修正し、前期は創業来初の最終赤字を計上した見通しだ。

  垣内氏は「資源価格の変動を支えるという観点から言うと、ポートフォリオのバランスが悪かった」と指摘。資源資産を増やすことなく、キャッシュフローから生み出す資金を非資源への投資に集中させて「安定収益の構造に拍車をかけていきたい」と述べた。

  三菱商事が関わる非資源事業についてはトレーディング、事業投資という形態を経て「今は事業経営のステージに入ってきている」と指摘。同社からグループ会社などへ経営を担う幹部人材の派遣をさらに進めるなどして、「連結ベースでの事業経営に成長のエンジンを求めていきたい」と語った。

非資源のトップランナー

  垣内氏は食糧分野出身。3月まで生活産業グループのトップとして、サケ養殖事業を手がけるノルウェーのセルマックへの投資や、シンガポールの農産物商社オラム・インターナショナルへの投資を決めた。それぞれ投資額は1000億円を超える大型投資。前社長である小林健会長は垣内氏を「非資源のトップランナー」と評し、同分野の収益力強化を託した。

  ブルームバーグが集計したアナリスト14人による同社の今期純利益予想の平均値は2914億円。伊藤忠の3403億円に次ぐ水準にとどまる。

  垣内氏は「厳しい環境になればなるほど負けられないという、強い思いが涌いてくる」と自身の性格を語る。今後3年間の資源価格は、現状の低水準にとどまることを前提に事業計画を立てる考え。「原油や銅の価格が上がらないと経営できないと言う気は毛頭ない」とし、「16年度で一気にということは考えていないが、3年間の中期経営計画の間に2度と1位から陥落しない態勢を作ることにチャレンジしたい」と抱負を述べた。

 

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