日本株は大幅続落、産油国会合不調や円高、熊本地震余波-32業種下げ

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18日の東京株式相場は大幅続落。産油国会合で増産凍結が見送られた上、20カ国・地域(G20)会合では日本の為替介入への妥当性が認められず、原油安や円高進行リスクを懸念する売り圧力が強まった。熊本地震によるサプライチェーンや観光需要などへの悪影響も警戒された。

  東証1部33業種は、地震関連保険の支払い増加などを見込む売りに押された保険株が下落率トップ。その他金融や銀行、証券・商品先物取引など金融株、輸送用機器や電機など輸出株、海運や電気・ガス株など32業種が安い。地震復旧需要を見込む格好で、建設1業種のみ上昇。

  TOPIXの終値は前週末比41.25ポイント(3%)安の1320.15、日経平均株価は572円8銭(3.4%)安の1万6275円95銭。下落率の大きさは1日以来、およそ2週間ぶり。

  SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリストは、「原油の増産凍結への合意が次回会合へ持ち越しになり、リスクを落とす流れになっている」と指摘。為替市場では円高も進み、「G20では円の介入に対し米国から完全にくぎを刺された印象。まだ下値リスクはあり、今後の決算への影響が懸念される」と話した。

  17日にカタールのドーハで開かれた石油輸出国機構(OPEC)加盟国や他の産油国が参加した会合では、増産凍結で合意できなかった。増産を計画するイランが欠席。事情に詳しい関係者によると、サウジアラビアがイラン抜きのいかなる合意にも同意しない姿勢を示し、協議が難航した。18日の時間外取引でニューヨーク原油先物は一時6.8%安と急落、1バレル=37ドル台を付けた。

  米ワシントンで14、15日に開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議の声明は、通貨の競争的な切り下げ回避を再確認する一方、為替相場の過度の変動や無秩序な動きが経済や金融の安定に悪影響を与え得る、との文言を盛り込んだ。麻生太郎財務相は、ルー米財務長官らとの間で無秩序な為替相場の動きは望ましくないことを再確認した、と発言。その後ルー長官は、日本は内需喚起に集中する必要があり、為替市場の動きは「秩序的だ」と言明した。

  きょうのドル・円相場は1ドル=107円70銭台-108円40銭台のレンジで推移と、15日の日本株終了時点109円60銭に対し、円高・ドル安方向に振れた。国内の長期金利は1カ月ぶり低水準を付け、新発20年債と30債利回りは過去最低を更新した。

  また、最大で震度7を観測した14日夜に続き、16日未明にも熊本県を震源にマグニチュード7.3の大規模な地震が発生、気象庁は熊本地震の「本震」が起きたとした。トヨタ自動車は17日午後、4月23日まで段階的に全国26ラインの稼働を停止すると発表。ホンダ広報によると、二輪車や発電機などを製造している熊本製作所を22日まで操業停止とする予定だ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、トヨタ系列への減産に伴う利益への影響は3-7%と試算している。

  野村証券投資情報部の小高貴久エクイティ・マーケット・ストラテジストは、過去の震災発生時には「海外の資金を円に戻すことで円高になる経験則もある。サプライチェーンの寸断に伴う生産調整がいつまで続くのかも判明していない」とし、熊本地震の影響に懸念を示した。

  業種別下落率1位の保険については、ゴールドマン・サックス証券が15日、法人地震保険は損失発生の可能性があると指摘。今後判明する被害状況や一部工場で稼働停止に伴う逸失利益の補填(ほてん)などにより、保険金支払いが発生する可能性は否定できないと言及した。

  売買代金上位ではトヨタやソニー、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ソフトバンクグループ、ファーストリテイリング、ファナック、村田製作所、富士重工業、マツダ、東京海上ホールディングスなどの下げがきつく、ソニーには東海東京調査センターの投資判断引き下げ、村田製には16日付日本経済新聞の報道を材料に、iPhone向け部品需要の減退観測もあった。下落率上位には熊本県内工場が停止中のルネサスエレクトロニクス、九州旅行需要への悪影響懸念でエイチ・アイ・エス、西日本鉄道、藤田観光が並んだ。

  半面、今後の熊本地震からの復旧需要を見込み、若葉建設や大林組、大成建設、太平洋セメント、鹿島、不動テトラなど建設、セメント関連銘柄は逆行して高い。東証1部の売買高は21億8206万株、売買代金は2兆1313億円。上昇銘柄数は209、下落は1696。

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