熊本地震で部品調達に支障、トヨタなど国内工場の操業停止相次ぐ

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  • トヨタの4-6月の営業利益に300億円強の下押しも-アナリスト
  • 熊本県内の死者は計42人-地震で建物や交通網に大きな影響

A destroyed neighborhood in Kumamoto prefecture.

Photographer: Kazuhiro Nogi/AFP via Getty Images

熊本地震が自動車メーカーなど企業の活動に影響している。トヨタ自動車は部品調達問題から九州の工場のほか、4月23日まで段階的に田原工場(愛知県田原市)や元町工場(同豊田市)など全国26ラインの稼働を停止する。現地関連工場の安全確認や交通網復旧などを含め、部品の供給状況をみながら、稼働再開時期を判断することになる。

  トヨタは17日、部品供給状況などから、国内工場の稼働停止を発表した。トヨタ自動車九州の宮田(第1、2)工場で18ー23日の稼働停止や、九州以外のいくつかの国内工場も19ー22日から、23日まで稼働を停止。グループのアイシン精機はエンジンやボディー部品など製造する2つの子会社が熊本県内の操業を14日の地震以降停止、19日も操業しない。余震で建屋内の立ち入り調査は難航しており、広報担当の外山正之氏は18日、窓ガラス破損や、壁がはがれたり穴があいたりの被害を外部から確認していると話した。一方、愛知県内の工場は18ー20日に稼働する。

  2011年の東日本大震災でも部品調達問題などで自動車メーカーなどの生産が大きく落ち込んだが、今回は熊本県で14ー16日に最大震度6、7の地震が数回発生、建物や道路・鉄道・空港などに大きな被害が出ている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券シニアアナリストの杉本浩一氏は、18日時点で減産規模がトヨタとレクサスブランド車にダイハツ車を含め計6万3500台と推計し、トヨタの4-6月の営業利益を300億円強、押し下げる見通しと試算した。

  菅義偉官房長官は18日の会見で、政府として被災した企業と関連した下請け企業への影響を含め、丁寧に状況を聴取しながら今後の対応に万全を期していくと述べた。17日に発足した被災者生活支援チームの中に産業班を設けており、こうした問題に政府全体としてしっかりと取り組んでいきたいと語った。

  ソニーは熊本県菊陽町の画像センサーを生産する工場で18日も引き続き生産ラインが停止し、再開時期は未定と広報担当の北川悠氏が話した。生産ラインを一部停止していた長崎県諫早市や大分県大分市にある画像センサー工場は17日に操業を再開した。ホンダは二輪車や発電機などを製造している熊本製作所を22日まで操業停止すると広報担当の中村勉氏が明らかにした。

  半導体メーカーのルネサスエレクトロニクスは17日、地震発生から操業停止している熊本市内の工場設備部品に16日の本震による被害の拡大が見つかったと発表。広報担当の荒川厚子氏は18日、前週から状況は変わっておらず、熊本県の川尻工場(車載用半導体の前工程)の操業は止まっており、内部の確認作業もなかなか進んでいないと話した。熊本県内にある錦工場は通常通り稼働している。

  ダイハツ工業では部品調達問題などで大分県中津の第1、第2工場と福岡県久留米のエンジン工場の稼働を18-22日に停止すると、広報担当の井上和樹氏が明らかにした。軽自動車「ムーヴ」やトヨタの「プロボックス」などを生産する京都工場も20-23日に操業停止の予定。三菱自動車は部品調達問題で岡山県倉敷市の水島製作所操業を18日夜から19日まで停止すると、広報担当の稲田開氏が語った。

  14日からの熊本地震による死者の数は18日朝の時点で計42人まで増えた。官房長官の18日午前の会見によると、負傷者は計1000人を超えている。気象庁は、14日夜から18日午後3時まで、震度1以上を観測した地震が540回あったとしている。

  地震の影響でターミナルビルが封鎖されている熊本空港は、19日に再開する予定。ANA日本航空は18日も熊本空港発着の全便を欠航したが、19日に運航を再開する。両社の発表資料によると、地震影響で寸断されている交通網を補うため、それぞれ福岡-鹿児島、大阪・伊丹-鹿児島などの臨時便を飛ばしている。

  JR九州では地震の影響による高架橋のひびやホーム桁損傷、線路上での煙突倒壊などの設備被害があり、新幹線の運転再開めどが現時点でたっていないと、広報担当の太田周作氏が明らかにした。地震により脱線した新幹線車両については18日に撤去作業を始めた。

規制委が臨時会議

  原子力規制委員会は18日、熊本県を中心に相次いだ地震を踏まえて臨時会合を開催。田中俊一委員長は会合後の会見で「いまの状況で安全上の問題があるとは判断していない。われわれ以外に政治判断があるかもしれないが、われわれとしてはそういう判断には至っていない」と述べ、国内で唯一稼動している九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)を止める必要はないとの考えを示した。

  九州電力は18日午後4時現在、熊本県内で約2万5900戸が停電しているとウェブサイトで発表した。阿蘇市、高森町、南阿蘇村、がけ崩れや家屋の損壊などにより入ることができず復旧困難な箇所を除いて、ほぼ復旧を完了しているとした。阿蘇市、高森町、南阿蘇村では、6万6000ボルト送電線周辺の大規模な土砂崩れにより鉄塔使用が不可能となっており、全国の電力会社から応援も仰ぎ、発電機車を配置し、順次、電力供給していくという。

  経産省は発表資料で、熊本県内の計797のガソリンスタンドのうち、約7割の稼働を確認しているとした。熊本県内のスーパーマーケットは18日午後1時現在、イオンが4店舗、西友が2店舗など、同県内で主要各社のスーパーマーケット計57店舗のうち計14店舗が営業を休止している。西部ガスでは、18日午後1時現在で約10万5000戸に対するガスの供給が停止している。


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  JALは17日夜、イオンからの依頼を受けて毛布7000枚を貨物臨時便で熊本空港に運んだ。JAL広報担当の藪本祐介氏によると、熊本空港の滑走路は離着陸可能という。

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