20年・30年債利回り過去最低、原油安受けたリスクオフで-緩和観測も

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  • 長期金利は一時マイナス0.13%まで低下
  • 日銀オペ5-10年の応札倍率低下、売り手不在を連想-メリル日本証

債券相場は上昇し、新発20年債と30年債利回りが過去最低を更新した。原油先物相場の下落や外国為替市場での円高・ドル安を背景に買いが先行したほか、日本銀行の長期国債買い入れオペで需給の良さが示されたことも買い手掛かりとなった。

  18日の現物債市場で新発20年物の156回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末の午後3時時点の参照値より1.5ベーシスポイント(bp)低い0.29%で開始し、直後に0.28%と過去最低を記録。午後に入ると0.275%まで低下し、最低水準を更新。新発30年物の50回債利回りは3.5bp低い0.355%と過去最低で開始し、その後は0.37%を付けている。長期金利の指標となる新発10年物国債の342回債利回りは一時1.5bp低いマイナス0.13%と、3月18日以来の水準まで下げた。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「原油価格の下落を受けたリスクオフで20年債を中心に買われているのではないか」とし、「それが中期ゾーンにも波及している格好」と説明。日銀の長期国債買い入れオペの5年超10年以下の応札倍率が下がったことも、「売り手不在を連想させて強含む材料になったようだ」と話した。

  長期国債先物市場で中心限月の6月物は、前週末比13銭高の152円02銭と3月18日以来の152円台で取引を開始した。直後に152円08銭まで上昇した後、151円96銭まで上昇幅を縮小した。午後は152円付近でもみ合った後、取引終了にかけて伸び悩み、結局は2銭高の151円91銭とこの日の安値で引けた。

  日銀が実施した今月7回目となる長期国債の買い入れオペ結果によると、残存期間5年超10年以下の応札倍率が前回から低下した。一方、変動利付債は上昇した。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議とドーハでの産油国会合がともに円高や株安、リスクオフ・センチメントを促すような結果になった」とし、「債券にはポジティブで金利低下圧力が掛かりやすい」と言い、「熊本地震の影響もあって日経平均株価の下げ幅も大きい」と指摘。「月内は国債入札日と日銀会合日を除いて日銀買いオペが続くため、需給的にも逼迫(ひっぱく)感が意識される」と話した。

  17日にカタールの首都ドーハで石油輸出国機構(OPEC)加盟国や他の産油国が会合を行ったが、増産凍結で合意に至らなかった。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は18日のアジア時間の取引で1バレル=40ドルを割り込んで推移している。外国為替市場では主要16通貨に対して円が全面高。対ドルでは1ドル=108円ちょうどを挟んだ水準で円が強含んでいる。

株大幅安

  この日の東京株式相場は大幅安。原油安や円高進行リスクに対する懸念に加え、熊本地震によるサプライチェーンへの影響も警戒され、輸送機器や電気などの輸出株のほか、幅広い業種が下落した。日経平均株価は前週末比3.4%安の1万6275円95銭で終了した。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、「G20会議で、日米間の為替政策に関する姿勢がうまく行っていないことが露呈し、円高の流れの中で、日銀は何かしないといけない状況。インフレ圧力のさらなる後退との見方から、利回り曲線はフラットニングが進んでおり、超長期債が買われている」と話した。日銀オペについては、「5ー10年ゾーンが良好だった。応札倍率も前回より低かった。利回りもそれなりの水準だった」と分析した。

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