【今週の債券】長期金利低下か、20年入札順調観測-月末アノマリーも

  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.15%~マイナス0.04%
  • 20年入札:銀行も買うプラス利回りのセクター、0.3%台許容との声

今週の債券市場では長期金利が低下すると予想されている。20年債入札などを通じて利回り水準がプラス圏にある超長期債への需要の強さが確認され、金利に低下圧力が掛かりやすいと見方が背景にある。月末の日銀金融政策決定会合で追加緩和観測が出ていることも引き続き相場の支えとなる見込み。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバーグが前週末に市場参加者4人から聞いた今週の予想レンジは、全体でマイナス0.15%~マイナス0.04%となった。前週はマイナス0.115%と3月18日以来の水準まで低下した。新発30年債利回りは0.385%、新発40年債利回りは0.405%と、ともに過去最低を更新し、利回り曲線はフラット(平たん)化圧力が掛かった。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「期初は債券をある程度保有する必要があり、売りが出ても押し目買いが入る。20年入札順調なら超長期主導でしっかりの展開になりそうだ」と予想する。「3月に比べてボラティリティが落ち着き、欧米金利との相関性なく、じわじわと買われる展開が長期化しやすい」とみている。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「国債市場では月初から月央まで相場が横ばいから軟調、月末にかけて相場上昇、という月次パターンが従来より意識されてきた。マイナス政策金利導入以降、需給要因による相場変動が大きくなり、こうしたアノマリーがより強く表れるようになっている」と指摘。

  日銀は27、28日に金融政策決定会合開く。野村証の松沢氏は、「特に今月は日銀会合が月末のため、こうしたアノマリーが強くなりやすい」と言う。日銀追加緩和については、「短期金利を引き下げ、かつ短期金融市場の取引を活性化、株価・インフレ期待を押し上げる施策を取る一方、国債買い増しは含まない」と指摘する。

5年債入札と20年債入札

  財務省は19日午前、5年利付国債の価格競争入札を実施する。表面利率は0.1%に据え置かれる見込み。発行額は前回より1000億円少ない2兆4000億円程度に減額される。

  5年債入札について、三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループヘッドは、「5年債利回りは追加緩和を意識してマイナスが深くなっている。月末の日銀決定会合まで分からないが、追加緩和をどう考えるか次第だろう」と分析した。

  21日には20年利付国債の価格競争入札が予定されている。156回債のリオープン発行となり、表面利率は0.4%に据え置かれる見込み。発行額は前回とより1000億円減額の1兆2000億円程度となる。15日の入札前取引で20年物は0.305%付近で推移した。

  SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジストは、20年債入札について、「先週14日の30年債と同様に入札自体が多少振れることはあっても、最終的にそれを機に相場が大きくどちらかに傾くことはなさそうだ」とみている。

予想レンジと相場見通し

  市場参加者の今週の先物中心限月、新発10年物国債利回りの予想レンジと債券相場見通しは以下の通り。

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◎マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長
先物6月物=151円15銭-152円15銭
10年物国債利回り=マイナス0.13~マイナス0.04%
  「期初からの日本国債の買いの流れは継続しており、フラットニングも進行してきている。ただ、フラットニングトレンドも煮詰まってきており、一段の進行には懐疑的にみている。今週は20年債入札が注目だが、先週の30年債入札と同様、結果を受けた金利上昇というシナリオは描きづらい。日銀が今月に緩和をするなら上場投資信託(ETF)の買い入れ増額とみており、そうした点も一段の金利低下やフラットニング圧力の妨げる要因になるかもしれない」

◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長
先物6月物=151円55銭-152円20銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.15%~マイナス0.07%
  「需給が締まる中、月末の日銀金融政策決定会合を見据えて、徐々に利回りレンジを切り下げる可能性がある。20年入札は銀行も買うプラス利回りのセクターで、0.3%台なら許容せざるを得ない状況。30年債と比べて買いやすい。追加緩和策を考えた場合、ETF買い入れ増額だけでは単なる株の買い支えとなる。長期国債の買い入れ増額も組み合わさざるを得ない。最近の長国買い入れオペの応札倍率からある程度の増額は可能ではないか」

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー
先物6月物=151円45銭-152円05銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.13~マイナス0.07%
  「月末には日銀決定会合が開かれるほか、ゴールデンウイークを控えている。日銀決定会合に対する不透明感が強いほか、日銀買い入れオペの実施回数が少ない可能性もある。また、大型連休中には米雇用統計発表もあるということで、そういう重要な日程を前に積極的には動きが取りづらくなるだろう。さらに3月以降の物不足の状況が解消されてきており、今週はいったん利益確定などの動きが出る可能性が高い」

◎三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループヘッド
先物6月物=151円50銭-151円90銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.11~マイナス0.06%
  「需給イベントとして5年債と20年債の入札が焦点。生保の新年度の運用については、一足飛びに現在の20年債、30年債利回り水準を買う方向にはならないのではないか。債券相場に大きな影響は与えないだろう。当面の注目材料としては、信託銀行などのキャッシュに対してマイナス金利が適用される。一般債や地方債などにもマイナス金利の定着度合いが高まるのか、投資家がマイナス金利で受け入れるのかに注目している」

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