米国債(15日):上昇、製造業の生産指数が約1年ぶり大幅低下

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  • 期間が長めの債券が上げを主導、利回り曲線はフラット化
  • 2年債利回りは6営業日ぶりの低下

15日の米国債相場は上昇。償還期限が長めの債券が上げを主導した。3月の米鉱工業生産統計で製造業の生産が市場の予想外に低下し、約1年ぶりの大幅なマイナスとなり、利上げが難しくなるとの市場の見方を裏付けた。

  米金融政策に敏感な2年債とインフレや経済成長見通しの影響を受けやすい30年債の利回り差は4日連続で縮小。米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した3月の製造業生産指数は前月比0.3%低下。4月の米消費者マインド指数は市場予想に反して前月から低下した。

  大和証券キャピタル・マーケッツ・アメリカの債券部門責任者、レイ・レミー氏(ニューヨーク在勤)は「データは最近、一貫して弱い」と指摘。「利回り低下が進んでも意外ではない」と述べた。

  米金融当局が利上げを検討する中、世界の低成長と低インフレが米経済に影響を及ぼすとの懸念が米国債利回りの重しになっている。国際通貨基金(IMF)は今週、世界経済の成長見通しを引き下げ、経済停滞リスクを警告した。米アトランタ連銀のロックハート総裁は前日、成長の軟化と依然低い水準にあるインフレを踏まえて、今月の利上げはもはや求めないと述べた。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.75%。同年債(表面利率1.625%、2026年2月償還)の価格は98 27/32。

  2年債利回りは3bp低下の0.73%と、6営業日ぶりの下げ。30年債利回りは4bp低下の2.56%。

  大和証券キャピタル・マーケッツのレミー氏は「指標の弱さや米利上げ見送り、世界的なマイナス金利」を要因に、利回りは低水準にとどまるとの見方を示した。

  この日発表された4月のニューヨーク連銀製造業景況指数は前月から改善した。

  米財務省は今週、560億ドル規模の中長期債入札を実施した。米債券利回りは他の大半の先進国の利回りを上回っており、世界の投資家の米国債需要が拡大した。

  オッペンハイマー・ファンズのクリシュナ・メマニ最高投資責任者(CIO)はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「米国の循環的な景気動向はまずまずだが、海外情勢や世界あちこちでの緩和策は10年債利回りの上昇を抑える」と指摘。10年債利回りは1.7-2%のレンジでの推移が続くだろうと述べた。

  金利先物市場が織り込む年内利上げの確率は約50%。4月26、27両日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合での利上げ確率はゼロとなっている。この算出は次回利上げ後の実効フェデラルファンド(FF)金利が平均0.625%になるとの仮定に基づく。 

原題:Treasuries Gain as Manufacturing Gauge Falls by Most in a Year (抜粋)

(7段落以降を追加し、更新します.)
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