【債券週間展望】長期金利は上昇か、原油や反動の売り警戒-入札重し

  • 来週はいったん利益確定などの動きが出る可能性-DIAM
  • 日銀が4月緩和するならETF買い入れ増か-マスミューチュアル

来週の債券市場では長期金利が上昇すると予想されている。超長期ゾーンの利回り低下の反動に加えて、原油価格上昇への警戒感や5年債、20年債と入札が週内に2回実施されることが重しになるとの見方が出ている。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは15日、一時マイナス0.115%と3月18日以来の水準を付けた。今週は新発30年債利回りが0.385%、新発40年債利回りが0.405%と、過去最低を更新し、利回り曲線にフラット(平たん)化圧力が掛かった。

  マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は、「中期的に原油価格は1バレル=50ドルを目指す流れになっているとみており、円債利回りの低下圧力を妨げ、フラットニング圧力を妨げるとみている」と話した。「日銀が4月に緩和をするなら指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れ増とみており、そうした点も一段の金利低下やフラットニング圧力の妨げる要因になるかもしれない」と言う。

  カタールのドーハで17日から15カ国以上が参加する産油国会合が開かれる。アナリストやトレーダーは生産水準の維持で合意できたとしても、目先で実際の石油生産にほとんど影響はないとの見方で一致している。14日のニューヨーク原油先物は続落したが、国際エネルギー機関(IEA)が世界の石油市場は7-12月に「均衡に近づく」との見通しを示し、原油価格は下げ渋る場面もあった。

5年債入札と20年債入札

  財務省は19日午前、5年利付国債の価格競争入札を実施する。表面利率は0.1%に据え置かれる見通し。発行予定額は前回から1000億円減額の2兆4000億円程度となる。

  21日には20年利付国債の価格競争入札が予定されている。156回債のリオープン発行となり、表面利率は0.4%に据え置かれる見込み。発行予定額は前回から1000億円減額の1兆1000億円程度となる。

  三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループヘッドは、5年債入札について、「5年債利回りは追加緩和を意識してマイナスが深くなっている。月末の日銀会合まで分からないが、追加緩和をどう考えるのか次第」と指摘。20年入札については、「プラス金利のプレミアムから投資家が保有している年限。14日の30年入札結果は良くなかったので、20年債で需要があるのかを見極めたい」と述べた。

市場関係者の見方
*T
◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー
*いったん利益確定などの動きが出る可能性が高い
*来週は再来週以降のカレンダーを見据えたポジション調整でレンジ推移になると見込む。月末の日銀決定会合に対する不透明感が高いほか、オペ回数も少ない可能性がある
*長期金利の予想レンジはマイナス0.13%~マイナス0.07%

◎マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長
*期初からの日本国債の買いの流れは継続し、フラットニングも進行してきている
*ただこのフラットニングトレンドも煮詰まってきており、一段の進行には懐疑的にみている
*長期金利の予想レンジはマイナス0.13%~マイナス0.04%

◎みずほ証券の丹治倫敦シニア債券ストラテジスト
*5年債入札は無難に通過するだろう。中短期金利はマイナス圏にアンカーされ、今月はともかくとしても追加緩和の可能性も残るため、相場は支えられやすい
*20年債入札がある超長期ゾーンは波乱含み。原油価格を受けた海外金利にも影響され得る
*長期金利の予想レンジはマイナス0.15~マイナス0.05%

◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長
*需給が締まる中、月末の日銀会合を見据えて徐々に利回りレンジを切り下げる可能性がある
*追加緩和策を考えた場合、ETF買入増額だけでは単なる株の買い支え。長期国債の買い入れ増額も組み合わさざるを得ない
*長期金利の予想レンジはマイナス0.15%~マイナス0.07%
*T

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