伊藤教授「やるなら4月にした方が良い」-日銀による金融緩和

更新日時
  • 6月になれば完全に催促相場-緩和に踏み込んでもあまり効かない
  • 円高も為替介入はやりにくい-皆、寛容でなくなってきている

米コロンビア大学大学院の伊藤隆敏教授はさらなる円高を阻止するために日本銀行が今月27、28の両日に開かれる金融政策決定会合で追加緩和に踏み込むべきだとの見解を示した。

  黒田東彦日銀総裁の財務官時代に副財務官を務めた伊藤氏は現地時間13日、ニューヨークでブルームバーグのインタビューに応じ、追加緩和を「やるなら4月にした方が良い」とした上で、「もう少し見守るということもあると思うが、また円高が進むと6月には完全に催促相場になる。そうなるとやってもあまり効かないということになってしまう」と語った。

  エコノミストの間では、日銀が1月に導入したマイナス金利政策への評価が二分しており、次回会合で追加緩和を実施する可能性についても意見が分かれている。

  黒田総裁は13日、ニューヨークでの講演で「マイナス金利付きの量的・質的金融緩和を導入していなかったら、日本の金融市場は一層悪くなっていただろう」と述べ、必要ならちゅうちょなく追加の金融刺激策を実行する考えを示した。

  足元の為替相場は一時1ドル=107円台を付けるなど、急速に円安が進んでいる。伊藤氏は110円を超える円高は企業収益への影響などから日本経済の回復力をそぐ恐れがあると指摘。米大統領選で為替が議論されていることや、来月の伊勢志摩サミット(G7)や環太平洋連携協定(TPP)の事を考えると、為替介入は具合が良くないと述べた。

  国際通貨基金(IMF)の対日審査責任者を務めるリュック・エフェラールト氏は12日、ブルームバーグとのインタビューで、現段階で円高に歯止めをかける目的で為替介入を行う正当な理由はないとの見解を示していた。

  伊藤氏は「為替介入に関して、皆、寛容でなくなってきている。そういう意味でやりにくい。介入時には暗黙の了解をもらうことが慣行。いま了解を取れる時なのかというと若干疑問だ」と述べた。

  2017年4月に予定されている消費再増税については実行すべきとの考えを示し、日本で高齢化が急速に進む中、どのような政策によってその負の影響を緩和するのかを議論する必要があると指摘。具体策として最低賃金の引き上げや社会保険、雇用保険の引き下げなどを挙げた。

  その上で「このままいけば2020年代のどこかで非常にまずいことになる。皆、おおかみ少年というが、そのうちにオオカミは出てくる」と語った。

  
  

(第8、9段落を追加して更新します.)
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