円下落、株下げ渋りや中国景気懸念後退で-G20・産油国会合見極め

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  • 足元上昇で下値固め、 短期的には110円視野に入れた動きとの声
  • 市場介入が正当化されるかなり厳格な基準がある-IMF専務理事

15日の東京外国為替市場では円が下落。日本株の下げ渋りや中国景気懸念の後退を背景に円売りが優勢となった。

  ドル・円相場は午後3時13分現在、1ドル=109円49銭前後。朝方には109円29銭まで円が強含む場面が見られたが、日本株が急速に下げ渋るのに伴い円売り優勢となり、一時109円73銭と7日以来の円安値を付けた。午後にかけては20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の結果や週末のドーハでの産油国会合を見極めようとのムードが広がり、109円台後半でもみ合う展開となった。

  三井住友銀行市場営業部為替トレーディンググループの佐藤慎介グループ長は、週末を前にしたドル買い・円売りが優勢だとし、リスクセンチメントの改善もドル・円をサポートしていると説明。ドル・円は「足元の上昇で下値を固めた状況で、 短期的には110円を視野に入れた動きになる」可能性があると話した。

  日本株は売り先行で安く始まったものの、急速に下げ渋り、日経平均株価は一時小幅高に転じる場面もあった。この日は前日比63円02銭安の1万6848円03銭で引けた。

  中国が発表した1-3月の工業生産は前年同月比5.8%増、小売売上高は同10.3%増となり、ともに事前予想(それぞれ5.5%増、10.2%)を上回った。1-3月期の国内総生産(GDP)は前年比6.7%増と予想と一致した。中国の同経済指標の発表後、豪ドルは対円で1豪ドル=84円78銭と、4日以来の高値を付けた。

  外為どっとコム総合研究所の石川久美子研究員は、中国指標が良ければ「ドル・円が上値を追えるきっかけになる」とした上で、あわよくば110円まで戻せるかというところだが、ニューヨーク市場中盤以降は週末のドーハでの産油国会合への警戒感から金融市場全般的に積極的にリスクを取るというムードではなくなると指摘。「109円後半で伸び悩む形になるとポジション整理で109円前半、へたすると109円割れまで売られてしまうことは十分あり得る」と語った。

G20

  麻生太郎財務相は14日、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議のため訪問している米ワシントンでルー米財務長官と会談し、円高で推移している為替相場について「一方的に偏った動き」に強い懸念を表明するとともに、「過度な変動や無秩序な動きは悪影響を与える」との認識を確認した。会談後、記者団に語った。通貨の競争的切り下げを回避するというG20声明の合意内容については「マイナス金利など国内の政策目的のための金融政策手段の行使を制約するものではない」と相互に確認したとした。

  一方、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事はワシントンでの記者会見で、「日本に関して言えば、われわれには市場介入が正当化されるかなり厳格な基準があり、非常に混乱を招く相場変動を回避する場合に限って実施できるのは明白だ」と述べた。

  三井住友銀行の山下えつ子は、米国の利上げペースが鈍化したことでドルが売られる相場は「だいたい一巡している」とし、株や原油が戻り気味になってきたことで、「どんどんドル安・円高に進むという感じも足元ではなくなってきている」と指摘。「今は底を打った後の戻りをどこまで試せるかという感じなので、110円まで戻せれば当面まずはいいところ」と語った。G20については、「警戒感や注目はあるが、結果は特に何もないという感じだと思う」と述べた。

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