監視委:クレディSの行政処分を勧告-法人関係情報の管理に不備

更新日時
  • アナリスト取材情報、「法人関係情報」に該当するかの点検ほぼなし
  • 公表前の業績予想を顧客に伝え、株式の買い付けを勧誘

証券取引等監視委員会は、クレディ・スイス証券に行政処分を出すよう金融庁に勧告した。アナリストが得た上場企業の未公表情報を顧客に提供するなど、法人関係情報の管理に不備があったと認められたため。

  監視委によると、クレディSではアナリストが取材で企業から得た未公表情報に、株価などへの影響がある法人関係情報が含まれているか否かチェックする体制がほとんどなかった。当時の株式調査部長が顧客への積極的な情報提供を促したこともあり、2015年9月ー10月に少なくとも5件の法人関係情報が顧客に提供された。

  また、あるアナリストは同年9月、公表前の業績予想を顧客や営業員に電話で伝え、株式の買い付けを勧誘していた。これを受け、少なくとも海外ヘッジファンド1社がクレディSで買い付けを行った。5件の法人関係情報にはインサイダー取引違反の対象となる重要事実は含まれていなかったという。

  監視委は15日、法人関係情報の管理不備による勧告が「こういう形で続いているのは残念だ」とコメント。監視委の発表を受け、クレディSは同日、「勧告を真摯(しんし)に受け止め、内部管理態勢について継続してその強化に努める」とのコメントを発表した。

  関係者によれば、監視委は昨年10月からクレディSに検査に入り、上場企業に関する法人関係情報の管理が適切に行われているかどうかを調べていた。

  監視委はインサイダー取引などを未然に防ぐため、証券会社の調査部門が企業情報を適切に取り扱っているかどうか内部管理体制を軸に検査などに取り組んできた。監視委は昨年12月、ドイツ証券に情報管理で不備があったとして行政処分を勧告。これを受け金融庁は業務改善命令を出した。

(2、3、4段落に詳細やクレディSのコメントを追加しました.)
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