塩野義薬、業界の流れに逆行でも5年で売上高倍増へ-手代木CEO

  • 高価格帯の治療薬から距離を置き、低分子医薬品の開発にコミット
  • 塩野義にとっては「提携が道」と、CEOがインタビューで明言

製薬各社は複雑ながん治療薬や100万ドル(約1億900万円)もするような遺伝子治療など、利益率の高い分野の医薬品開発を急いできた。だが、塩野義製薬はこの業界の傾向にあえて逆らうことを決め、その戦略で向こう5年間に売上高の倍増を目指している。同社はブロックバスターとなったコレステロール降下薬「クレストール」の創製で知られる。

  塩野義薬の手代木功最高経営責任者(CEO)はインタビューで、世界的な製薬会社の多くが注目しなくなってきている抗生物質のような、それほど複雑でない「低分子」医薬品の開発に引き続きコミットしていくと述べた。

  同CEOによると、最高価格帯の新薬に注力しないと決定してから同社には多くの否定的なコメントが寄せられた。しかし戦略が奏功するにつれ、そうした声もやんだという。同社の株価は過去2年で3倍に値上がりしている。

  手代木CEOはインタビューで、「私は当時、社内外から大変批判された。このような製品は安い上に古いと指摘され、常軌を逸しているとも言われた」と振り返った。

  塩野義薬の2016年3月期の売上高見通しは3015億円。同社の中期経営計画では21年3月期に5000億円に拡大の見込みだが、手代木CEOによれば、社内的には同じ期間で6000億円にするのが目標。

  同CEOの下、塩野義薬は国際展開する大手製薬会社と組んだ製品も含めて市場への投入を続けた。さらなる成長に向け、一段の提携に関心があると、手代木CEOは話した。アストラゼネカグラクソ・スミスクラインといった既に提携しているパートナーを含め、将来の事業チャンスを迅速につかめるよう大手と連絡を取り合っているという。「提携が当社の進む道だ」と同CEOは明言した。

  同社は出資先の英ヴィーブヘルスケアから入るHIV感染症治療薬のロイヤルティー収入のほか、他の承認薬や開発中の医薬品も売り上げをけん引すると期待している。

  今年3月時点で塩野義薬の新薬パイプラインの約68%は、開発提携したものも含め自社発だった。手代木CEOによると、向こう数年はこの比率を50%以上に維持する方針という。

原題:Crestor Developer Sees Sales Doubling With Lower-Priced Drugs(抜粋)

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