【日本株週間展望】反落、業績懸念と急伸反動-米株堅調、需給は支え

4月3週(18ー22日)の日本株は反落しそうだ。買い材料になり得る重要イベントに乏しい上、国内企業業績に対する懸念は完全に払拭(ふっしょく)されておらず、前の週に大きく上げた反動売りが出やすい。半面、決算をめぐる悪材料を先行して織り込んだ米国株の堅調、国内株式需給の改善期待は相場全般を下支えする。

  米国では19日に3月の中古住宅販売、21日に4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数が公表予定。エコノミスト予想では、中古住宅は前月比3.7%増(前回7.1%減)へ改善、フィラデルフィア景況指数は8.0(同12.4)へ低下する見込みだ。欧州では21日に欧州中央銀行(ECB)理事会がある。米景気に対する過度な警戒は和らいでいるほか、3月の追加金融緩和から間もないECBの政策変更も想定しづらく、いずれも明確な手掛かり材料とはなりにくい。

  一方、企業決算に対する注目度は国内外で高まりそうだ。米国では18日にモルガン・スタンレーやIBM、19日はゴールドマン・サックス・グループやインテル、20日はクアルコム、21日はマイクロソフトなどが発表予定。S&P500種採用企業の第1四半期決算は10%減益が予想されているが、足元ではドル高修正や事前の期待値低下を背景にむしろ好感されるケースがみられる。国内では、第4週からの主要企業の決算発表シーズンが迫り、会社側から業績修正の動きも増える見通し。急激な円高やグローバル需要の減速などから前期実績、今期計画が予想以上に悪いとの不安が強まるリスクは依然内包している。

  第2週の日経平均株価は週間で6.5%高の1万6848円03銭と3週ぶりに急反発、上昇率は2月3週以来の大きさとなった。為替市場で急激なドル安・円高が一服、原油価格の上昇や良好な中国経済指標、根強い国内政策期待もあって投資家のリスク許容度が高まり、海外に比べ出遅れ感の強かった日本株を見直す動きが広がった。裁定買い残が急減し3年半ぶり低水準となったほか、海外投資家の売り越し基調が転換するなど株式需給の改善傾向もプラスに働いた。

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≪市場関係者の見方≫
●みずほ信託銀行アクティブ戦略運用部の中野貴比呂シニアストラテジスト
  次週以降に米連邦公開市場委員会(FOMC)や日本銀行の金融政策決定会合など重要イベントが控えており、方向感を欠きもみ合いだろう。口先介入やリスク回避の一巡で円高は一服したが、反転はしておらず、1ドル=105円を目指す可能性は十分ある。さらに国内決算への警戒感がある。足元までの悪さは織り込んだとしても、売上高が伸びていない中で先行きの悪さまでは織り込んでいない。今は1株利益が伸びないどころか下がっており、株価の上値が重くなりやすい状況だ。国内景気が強くない中で、多少円安に進んでも素直に喜べない。

●三菱UFJ国際投信の宮崎高志戦略運用部長
  米金融政策などを控え、ポジションを一方向に傾けにくい。トレンドが出にくい中、企業決算をみながら足場を固めていく展開になりそうだ。企業業績は今期の減益を株価に織り込んだ。決算発表を受けあらためて売られることはないだろう。もっとも、アベノミクスは財政と金融でカンフル剤を打ち、痛みが和らいでいる間に構造改革を行うはずだったが、株高で危機意識が芽生えず、企業の生産性は上がっていない。中長期で腰の入った買いが入っていないだけに、短期筋の売買に振らされやすい。今の状況で為替介入はできない、と投機筋が円買いを狙っているとの見方も依然根強くあり、そうしたリスクもみておかなければならない。

●三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジスト
  日経平均は1万7000円台を探ると予想、90日移動平均線の1万7200円を上抜けると、1万7500円付近までのオーバーシュートがありそうだ。今期の業績悪化見通しについては、月初の株価急落で織り込み済み。5月のサミットが近づけば、消費税増税延期や補正予算といった政策対応が見込め、海外投資家が日本株を見直すとの期待も相場をサポートする。ただし、国内勢の慎重スタンスは変わらず、振幅の大きい展開が続く。
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