NY外為:ドルに底入れ感、世界的に中銀が自国通貨高を警戒

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14日のニューヨーク外国為替市場ではドル指数が小幅高。年初来で4.2%下げているドルに底堅さが出始めている。

  海外の中央銀行が対ドルでの自国通貨高を抑制しようとしているため、前日のドルは3週間ぶりの大幅高となった。シンガポール通貨庁(MAS、中央銀行)は14日、シンガポール・ドルの為替レートについてゼロ%上昇の中立的な政策スタンスに移行すると発表し、予想外の金融緩和に踏み切った。カナダ銀行(中銀)は1月中旬から10%余り上昇しているカナダ・ドルが景気に悪影響を及ぼし始めていると警告。今月に入って主要通貨の中で最も上昇している円に対し、日本の当局は口先で押し下げようとしている。

  利上げペースをめぐる米金融当局者の慎重なコメントを受け、ドルは年初来で軟調に推移している。アトランタ連銀のロックハート総裁は14日、利上げに関して辛抱強さが正当化されると語った。

  USバンク・ウェルス・マネジメント(ミネアポリス)の債券調査責任者、ジェニファー・ヴェイル氏は「これらの国の一部には介入しないよう圧力がかなり掛かるだろう」と指摘。「低成長の環境では強い通貨をさほど長くは維持できない」と続けた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.1%上昇。ドルは対ユーロで0.1%未満高い1ユーロ=1.1268ドル。対円ではほぼ変わらずの1ドル=109円40銭。

  国際通貨基金(IMF)は12日公表した最新の世界経済見通し(WEO)で、世界経済は負の衝撃に一段とさらされるリスクが高まっていると警告。2016年の世界成長率予想を3.2%と、1月時点の予想(3.4%)から引き下げていた。

  元IMFエコノミストでロンドンのSLJ マクロ・パートナーズの共同創業者であるスティーブン・ジェン氏は「ドル減価により、経済が弱い国の通貨を押し上げるのは合理的でもないし、世界にとって非生産的だ」と述べた。

  米国では金融当局が弱い世界経済と国内の低インフレを理由に利上げ見通しを下方修正している。アトランタ連銀のロックハート総裁は14日、4月利上げが適切だとは思わないと表明。3月の消費者物価指数が予想を下回ったため、低インフレに一段と取り組む必要があるとの見解を示した。

  ソシエテ・ジェネラルのグローバル・ストラテジスト、キット・ジャックス氏はドルの最近の下落局面について、国際情勢を受けた次の上昇基調に入る前の一服にすぎないと指摘。「ドルの上昇は米経済の強さよりも米国以外の景気の弱さが原動力になるだろう」と述べた。

原題:Dollar Slide Pauses as Global Central Banks Cue Up More Easing(抜粋)

(第1段落と第6段落以降を追加し、更新します.)
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