シンガポール、ゼロ%通貨上昇に政策を転換-08年の金融危機以来

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シンガポール通貨庁(MAS、中央銀行)は14日、為替管理政策(金融政策)の定期見直しの結果、シンガポール・ドルの為替レートについてゼロ%上昇の中立的な政策スタンスに移行すると発表し、予想外の金融緩和に踏み切った。これによりシンガポールは、世界的な金融危機の深刻化でリセッション(景気後退)に見舞われた2008年10月にかつて導入した為替政策に回帰することになる。

  同国の1-3月(第1四半期)国内総生産(GDP)が前期比ゼロ成長となったことを受けて、MASは自国通貨上昇を容認する政策を転換した。ブルームバーグが実施したエコノミスト調査では、18人中12人が金融政策の据え置きを予想し、緩和を見込んでいたのは6人にとどまった。シンガポール・ドル相場は、MASの発表を受けて下落した。

  MASは発表文で、「昨年10月の金融政策の見直しでの想定と比べると、16年のシンガポールの経済成長はより緩やかなペースになると予想される。コアインフレもこれまでの予測よりも緩やかな上昇になると考えられる」と説明した。

  ウエストパック銀行の通貨ストラテジストのショーン・キャロー氏 (シドニー在勤)は「世界的な金融危機後の設定に政策を戻すことによって、MASは強いメッセージを発した。今回のサプライズな動きは、アジア・太平洋地域の通商取引の先行きに対する悲観的な見方を反映している」と電子メールでコメントした。

  シンガポールでは昨年10月以降に銀行融資が毎月減少するなど、世界的な景気下降や中国経済の減速に伴う影響が表れ始めている。シンガポール・ドルの対米ドル相場は一時0.9%下落し、現地時間午後0時20分(日本時間同1時20分)時点で1米ドル=1.3633シンガポール・ドル。  

  シンガポール通産省が14日発表した1-3月のGDP速報値は前期比年率横ばいとなり、ブルームバーグが調査したエコノミスト12人の予想中央値と一致した。前年同期比では1.8%増(予想は1.7%増)。サービス業は前期比年率3.8%減と、15年1-3月以来のマイナスに落ち込んだ。

原題:Singapore Adopts 2008 Crisis Policy as Growth Grinds to Halt (1)
Singapore Eases Monetary Policy as Economy Grinds to a Halt(抜粋)

(ストラテジストのコメントなどを追加して更新します.)
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