三井金属社長:資源低迷下で都市鉱山に活路-カセロネス貢献見込まず

  • 海外からのリサイクル原料の調達拡大へ、受け入れ拠点も設備投資
  • 銅価は低い水準続きカセロネス事業からの大きな利益貢献見込まず

三井金属の西田計治社長は13日、ブルームバーグなどとのインタビューで今期(2017年3月期)からの3年間の新中期経営計画で、廃棄された携帯電話やパソコンなどから原料を取り出して金や銅などの地金を製錬する、いわゆる都市鉱山を活用したリサイクル製錬に注力する考えを示した。銅などの非鉄市況が大きく落ち込み資源事業が苦戦する中、安定的な利益拡大を目指す。

  1日付で社長に就任した西田氏は「スマホ向け銅箔などの機能材料、リサイクル製錬、ドアロックなどの自動車用部品」の3つを注力分野に挙げた。その中で利益をけん引すると期待するのがリサイクル製錬だと説明。昨年9月に台湾のリサイクル企業と資本業務提携を結んだことに加え、海外からの廃家電などの回収をさらに拡大していく方針を示した。リサイクル原料を受け入れる地金の生産拠点である竹原製煉所(広島県竹原市)にも設備投資を行う予定だ。

  三井金属は国内最大手の亜鉛製錬会社。「これまでは亜鉛地金の生産量を増やすことが一番の目的だったが、これからは地金全体の生産量を増やすことで売り上げを伸ばすことに考え方を変える」という。鉱石からの地金生産でも、敬遠してきた亜鉛以外の副産物が多く含まれる鉱石の調達も増やし、亜鉛生産が減ったとしても全体の地金生産の増加につなげる考え。新中計の詳細は5月11日に発表する。

  16年3月期の連結業績は105億円の経常損失(前の期は211億円の利益)に陥った見通し。チリのカセロネス銅事業での減損損失の計上が響き、リーマンショック後の世界的な資源価格の下落が影響した09年3月期以来、7期ぶりの経常赤字となる。

低い銅価格の見通し

  前中計では16年3月期にカセロネス銅事業から75億円の経常利益の貢献を見込んでいた。新中計では「カセロネス事業をやり遂げる目標自体は変わらないが、銅価格は低い水準に置かざるを得ない。利益は大きくは入ってこない」との認識を示した。具体的な銅価格の見通しについては、現時点では非公表としている。

  JX金属との合弁会社で三井金属が40%を出資するパンパシフィック・カッパー(PPC)を通じてカセロネス銅鉱山事業に出資している。三井金属は前期に同事業で約193億円の減損を計上。減損は3期連続となり、同社の累計減損額は451億円に上る。

  今期の業績予想の前提となる亜鉛価格の見通しは上期が1トン=1750ドル、下期は1900ドルと指摘。スイスのグレンコアなど大手鉱山会社の減産による供給不足の影響で、下期の市況回復を見込む。製錬事業では利益となる加工賃をドル建てで受け取るため、足元の円高は利益の圧迫要因となる。今期は1円の円高で年間3億円の経常減益につながるというが、一定部分をすでに1ドル=110円の水準で為替予約しており、この水準を超える円高については影響を緩和できるとの見方を示した。

●西田計治(にしだ・けいじ)氏:1980年山口大経卒、三井金属入社。財務部長などを経て11年2月取締役兼最高財務責任者(CFO)、14年4月代表取締役専務兼CFO、16年4月から社長。58歳。

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