30年国債が最低利回り更新後に失速、入札が3年ぶりの不人気度を示唆

  • 投資家需要を映す応札倍率は3.39倍と前回4.12倍から低下
  • 思ったよりも需要が集まらなかった-BNPパリバの藤木氏

現物債市場で30年物国債利回りが過去最低水準を付けた後、上昇に転じている。この日の30年債入札が市場予想を下回る結果となったことが背景だ。落札価格の最低と平均の差であるテールは3年ぶりの大きさに拡大し、投資家の不人気度が示唆されたことも売り圧力を強める要因となった。

  財務省が14日に実施した30年利付国債(50回債のリオープン発行)の入札結果によると、最低落札価格は110円35銭と、市場予想の110円85銭を下回った。テールは67銭と前回の3銭から大幅に拡大し、日本銀行が「量的・質的金融緩和」を導入した2013年4月以来の水準を付けた。応札倍率は3.39倍と前回の4.21倍を下回った。

テールは2013年4月以来の水準に拡大

  野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは、「テールが拡大して弱い結果だった。昨日まで水準や利回り曲線上で調整せずに来て、今日の午前も強くなっていた。30年債利回り0.4%割れ定着で投資家の需要があまり入らなかった。相場は行き過ぎた分の調整となっている」と話した。

  この日の30年物の50回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ばいの0.405%で始まり、午前に一時2ベーシスポイント(bp)低い0.385%と過去最低を更新した。午後の入札結果発表受けて売りが優勢となると、利回りが一時0.42%まで上昇する場面があった。その後は0.405%で推移している。

  BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジストは、「前回は年度末に向けたタイミングの入札だったこともあり、生命保険会社を中心に一定の需要がみられていた。今回は絶対値が低い中での需要を図る最初の入札だったが、思ったよりも需要が集まらなかったといえる。また、今週に入ってからの円安・株高も入札結果に影響しただろう」と説明した。

  14日の外国為替市場でドル・円相場は一時109円55銭と、7日以来のドル高値を付けた。東京株式相場は3営業日続伸し、日経平均株価は前日比529円83銭高の1万6911円05銭で取引を終了。3日間で1100円を超える上昇となっている。

  一方で、「日銀による国債買い入れオペをはじめとして、基本的な需給の引き締まりが債券市場を支えている上、4月末の日銀緩和への期待も支えている」と、BNPパリバの藤木氏は指摘している。

  日銀は27、28日に金融政策決定会合を開き、新たな「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表する。
  

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