米国債:小幅安、30年債入札は強い需要でディーラー比率過去最低

更新日時
  • プライマリーディーラー22社の落札比率は24.1%
  • 米財務省、今週予定の総額560億ドルの中・長期債入札を完了

14日の米国債相場は小幅下落。米財務省はこの日、発行額120億ドルの30年債入札を実施。強い需要を集め、プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)の落札比率は過去最低となった。

  3月の消費者物価指数(CPI)の伸びはアナリスト予想を下回った。インフレが抑制され、欧州や日本でマイナス金利が導入されている環境で、資金は高い利回りへと向かった。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデータによれば、米長期債相場は年初から約10%急伸し、値上がり率は米国債全体の2倍を超えている。

  30年債入札の結果によると、最高落札利回りは2.596%。ドイツの0.85%、日本の0.4%を上回る。プライマリーディーラーの比率は24.1%と、2006年までさかのぼったデータ上の最低水準となった。海外の中央銀行や投資信託を含む間接入札者の落札全体に占める割合は約65%と、昨年9月以来の高水準に達し、過去3番目に高い。

  三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス氏(ニューヨーク在勤)は「入札では顧客から非常に強い需要があった」と指摘。「ここ以外に行くところがないからだ」と続けた。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨーク時間午後4時59分現在の30年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.6%。同年債(表面利率2.5%、2046年2月償還)の価格は97 29/32。10年債利回りは3bp上げて1.79%。先週は2月以来の低水準に下げていた。

  30年債入札の最高落札利回りはブルームバーグがまとめた予想の2.617%を下回った。米財務省はこれで、今週3回の中・長期債入札、合計560億ドル相当を完了。13日の10年債入札でも旺盛な需要が見られ、間接入札者の落札全体に占める割合は前回入札から上昇。最高落札利回りは予想を下回った。

  この日の米国債入札には、アトランタ連銀のロックハート総裁の発言も影響した。同総裁はブルームバーグラジオとテレビジョンのインタビューで、成長の軟化と依然低い水準にあるインフレを踏まえて、今月の利上げはもはや求めないと発言。個人消費支出や企業の投資は「軟化しているようであり、確かにそれは私をためらわせる」と述べた。

  金利先物市場が織り込む年内利上げの確率は約53%。この算出は次回利上げ後の実効フェデラルファンド(FF)金利が平均0.625%になるとの仮定に基づく。

  ウエスタン・アセット・マネジメントのシニアポートフォリオマネジャー、カール・アイクスタッド氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「米当局はハト派寄りになってきた」と指摘。「金融引き締めの条件は整っている。当局はこれまでより慎重になるだろう。今年2回の利上げは理不尽ではない」と述べた。

原題:Wall Street Left With Record Low Amount at 30-Year Treasury Sale(抜粋)

(相場を更新し、第6段落以降を加えます.)
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