NY外為:ドル上昇、売り過ぎ感から買い-弱い米経済統計響かず

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  • ドル指数は3週間ぶりの大幅高
  • 3月の米小売売上高とPPIは予想外のマイナス

13日のニューヨーク外国為替市場ではドルが上昇。ドル指数は3週間ぶりの大幅高となった。年内の利上げの可能性をめぐり経済指標に注目が集まっている。

  3月の米小売売上高や生産者物価指数(PPI)が予想外にマイナスになり、消費者需要やインフレの強さに疑問符が付いたものの、ドル指数は9カ月ぶりの低水準から戻した。ドルは年初来で円に対して9%超下げている。

  米金融当局が引き締めに動く中、他の中央銀行はマイナス金利の導入や債券購入の拡大を実施したため、ドルは過去2年間では上昇している。今年に入ってからは米国の利上げ見通しが後退し、ドル建て資産の魅力が弱まったため、下落基調にある。

  BNPパリバの通貨ストラテジスト、バシーリ・セレブリアコフ氏(ニューヨーク在勤)は「ドルは緩やかにリバウンドしているが、弱い経済指標を背景に予想よりも早く揺らぎ始めている」と指摘。「ドル安の修正場面を完全にあきらめたわけではないが、この日の数字は支援材料ではない」と述べた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.6%上昇。ドルは対ユーロで1%高の1ユーロ=1.1274ドル、対円では0.7%高い1ドル=109円34銭。

  ドルは主要16通貨の大半に対して上昇。3月の小売売上高が前月比0.3%減少したものの、最近のドル売りは行き過ぎだったとの見方から買いが入った。生産者物価は市場の予想外に前月比で低下し、2カ月連続のマイナスとなった。

  引き締めの適切なペースをめぐり、米金融当局者の間では意見が分かれている。ダラス連銀総裁とフィラデルフィア連銀総裁は12日、世界経済への向かい風を理由に慎重な対応を求めた。一方、リッチモンド連銀とサンフランシスコ連銀の両総裁は利上げを支持した。連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は世界の景気減速から米経済への影響を考慮し、利上げには引き続き慎重になる姿勢を示唆している。

  貿易データは中国経済の堅調を示唆し、世界経済見通しをめぐる不安を食い止めた。中国の輸出は年初から6週間に金融市場を揺るがした後、中国経済の減速が一部で予想されたほど深刻ではないことを示唆した。

  年初来のドル下落を受け、下げの行き過ぎを示唆する兆候が出ている。ドルの相対力指数はほぼ4年ぶりの低水準にあり、下げ過ぎの可能性を示している。

  ラッセル・インベストメンツの通貨・債券戦略の責任者、バック・ファンル ー氏は「ドルはかなり売られ過ぎており、現行水準から反発する可能性があると考える。もっと大きな観点から言えば、ドルが新高値を付けることはないだろう」と語った。  
  

原題:Dollar Rises from 9-Month Low as U.S. Data Blur the Fed Outlook(抜粋)

(第1-2段落と第6段落以降を追加し、更新します.)
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