【インサイト】野村が最後でない-株トレーダーに安心の場所はどこか

野村が欧州の株式部門閉鎖を決めた。バークレイズも今年、アジアの株式事業からの撤退を発表している。野村は欧州株式事業で上位10社に入れなかったし、バークレイズもアジアで同様だった。

  既に競争の激しい事業である株式に力を入れる投資銀行の増加に伴い、今後も撤退するところが出るだろう。調査会社コーリションのアムリット・シャハニ氏によれば、世界で営業する銀行の株式事業が安泰であるためには同事業で20億-30億ドル(約2180億-3280億円)の収入が必要だ。この程度の収入があれば、競争圧力や利益率低下を補うのに十分な市場シェアがあることになる。

  この基準からいくと、モルガン・スタンレーとゴールドマン・サックス・グループ、JPモルガン・チェース、クレディ・スイス・グループ、バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチの株トレーダーらは安心できそうだが、それ以外のところではリスクがある。

  株式事業は投資銀行にとって、相対的に明るいスポットだった。コーリションによれば、大手の株式事業収入は合わせて2010年以降に23%増え498億ドル(約5兆4400億円)に達した。これに対し、債券収入は36%減、助言と資本市場関連は5.5%増だ。

  12年に債券業務の多くから撤退して株式への集中を強めたUBSは利益も株価も回復。そこでここ数年は、株式事業の拡大をうたう銀行トップが増えた。

  しかし最近の株式事業の好調は基本的に、ある特定の顧客に依存していた。ヘッジファンドだ。ヘッジファンド向けサービスのプライムブローカー業務が株式収入の中で占める割合が、現物株取引やデリバティブ(金融派生商品)を上回るようになった。ヘッジファンドの運用資産の増加を反映したものだろう。

  しかし、年初来の傾向が続くとすれば、今年はヘッジファンド顧客にあまり期待できないかもしれない。多数の銀行が、減少傾向の収入を奪い合うことになりそうだ。

  欧州の投資銀の収入は今年減少する公算が大きく、株式関連は最大15%減るだろうと、モルガン・スタンレーは予想している。こうした環境下で、撤退するのは野村で最後という可能性は低い。

(このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピーの意見を反映するものではありません)

原題:Nomura, Barclays Won’t Be Alone in Cutting Back Equities: Gadfly(抜粋)

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