時価総額世界一のFCを擁する「新三板」、中国店頭株市場が急成長

  • 多層的な資本市場望む中国当局にとっては好都合か
  • 安全な市場かどうかという点では疑問残るとの指摘も

中国指導部は事業資金を渇望している本土企業の資金調達を支援するため、「多層的な資本市場」を望んでいる。中国のサッカークラブ(FC)、広州恒大が英イングランドのマンチェスター・ユナイテッドより大きな時価総額で取引されている店頭株市場はそうした市場の一つだ。

  2012年に設立された全国中小企業股份転譲系統(NEEQ)、通称「新三板」には約5000社が上場しており、コンサルティング会社、清科集団(ゼロ2IPO)のデータによれば、昨年末時点の時価総額は2兆5000億元(約42兆円)。各社はNEEQのそれほど厳しくない基準と評価額上昇に引き付けられているほか、本土の上場制度をめぐり不透明感が残っていることも急成長の背後にある。NEEQは倍の規模になろうとしていると清科は指摘する。

  こうした傾向は政策当局にとっては好都合のようだ。当局は依然として昨年夏の本土株急落の後処理に追われており、今年1月に株式市場に導入したサーキットブレーカー制度は混乱を招き停止を強いられている。

  当局は先月、新規株式公開(IPO)プロセスの規制緩和計画の後退を示唆し、代わりに多層的なアプローチを強調。比較的規制が緩くボラティリティの大きな取引環境となる可能性があるものの、成長企業にとって北京のNEEQといった店頭株市場は魅力的だ。

  NEEQ上場企業は一般的に小規模なものの、その数は中国本土で株式公開している企業数のほぼ倍だ。ブルームバーグのデータによると、上海、深圳両証券取引所を合わせた時価総額はNEEQの15倍超。

流動性

  清科の申伶坤アナリスト(北京在勤)は、急成長しているNEEQだが、生き残ることができる安全な市場かどうかという点では疑問が残ると指摘。「流動性が欠けているため、この市場は全体的にそれほど効率的ではない。むやみに資金調達している会社や資金集めの動機が純粋でない企業もある。市場規制改善のためになすべきことはまだある」と電子メールでコメントした。

  中国国営の新華社通信は3月8日、広州恒大淘宝フットボールクラブがNEEQで初めて取引された際に218億元の価値があると評価され、マンチェスター・ユナイテッドを抜き、時価総額世界一のFCになったと報じた。

原題:China Has a $385 Billion Invite-Only Stock Market That’s Booming(抜粋)

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