IMF報告書:国際金融リスク高まる-経済成長見通しは弱まる

  • 市場混乱を回避するために政策措置が必要
  • 世界の生産を弱らせる金融停滞の危険性を警告

国際通貨基金(IMF)は、経済成長の減速や商品価格の下落に伴い世界の金融安定性へのリスクが高まっており、世界の生産を弱らせる与信停滞の危険性を突き付けているとの見解を示した。

  IMFは13日公表した国際金融安定性報告書(GFSR)で、状況の複合的な暗さを踏まえると「成長押し上げと脆弱(ぜいじゃく)性の抑制、信頼感の改善に向けて広範囲な政策対応を個別でも集団としても講じる緊急性が高まっている」と指摘。こうした行動を取らなければ、市場混乱が再発しかねず、金融機関が「長期にわたり傷付いたバランスシート」に苦しむような景気低迷の長期化に見舞われる確率がやがて高まると分析した。

  12日発表の世界経済見通し(WEO)でIMFは、世界の成長率予想を下方修正し、世界経済が負の衝撃に一段とさらされているとの見解を示しており、GFSRもこれに同調した。

  IMFはGFSRで、市場混乱が再発すれば「信頼感の不安定化や成長減速、インフレ鈍化、債務負担の増加という悪循環」につながる恐れがあるとし、「中期的に経済成長と金融の安定性に悪影響を及ぼすほど金融の健全性が損なわれかねない」と論じた。

  同報告はその上で、停滞を回避できれば2018年までに基本的予想に比べて世界の生産を1.7%押し上げる可能性がある一方、回避できない場合21年までに基本的予想を3.9%下回ると試算した。

  先進国の銀行に関しては「近年安全性が高まってきた」が、16年初めには市場の圧力にさらされたと指摘。ユーロ圏には高水準の不良債権問題に「至急取り組むよう」呼び掛けた。米国については「ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)やフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)の優位性を減じる取り組みを再活性化させ、これらの機関の改革を継続すべきだ」とした。

  同報告は中国にも大きな重点を置き、国内消費主導の経済成長への「複雑な移行」で進展があった点を認める一方、中国の信用ブームと同時に企業の収益性が悪化したことが「過剰債務」をもたらしたと指摘した。
  
原題:IMF Says Global Financial Risks Rising as Growth Outlook Weakens(抜粋)

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