原田日銀委員:「可能でないとは言えない」-4月マイナス金利拡大

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  • 国民全てに不評というわけではない、システム対応も徐々に進む
  • 円高は物価上昇圧力弱めるのは事実、目標達成は遅れるが達成は可能

日本銀行の原田泰審議委員は13日、次回の金融政策決定会合で日銀がマイナス金利の幅を拡大する可能性について言及した。マイナス金利を国民のすべてが不評と考えているわけではないとしている。

  下関市内での午後の会見で原田委員は、4月会合でマイナス金利を拡大することは可能かと質問されて「可能かどうかと言えば、可能でないとは言えない」と答えた。マイナス金利の国民の評価については「国民すべてにとって不評というわけではない」と述べて、金融機関のシステム対応も徐々に進むとの見通しを示した。日銀は27、28日に金融政策決定会合を開催する。

  急速な円高の進行を受けて市場では、4月の決定会合で日銀は追加緩和に踏み切るとの見方が広がり始めている。原田委員も午前の講演で、新興国経済の減速や米国の経済・金融政策、欧州における債務問題を含めて日本経済を失速させかねないリスクがあるとして「そのようなリスクが顕在化すれば、躊躇(ちゅうちょ)なく追加の金融緩和を行うことが必要」と述べていた。

2%物価達成は遅れるが可能

  原田委員は会見で、足元で進んでいる為替の円高について「円高がすぐに物価上昇圧力を大きく弱めることにならない」としながらも「円高になればその分だけ物価上昇圧力をある程度弱めるのは事実だ」と語った。2%物価目標の達成時期については、需給ギャップの改善の遅れや期待インフレの弱さから「達成時期は遅れるが、目標を達成することは可能」との見方を示した。

  日銀は2%物価目標の達成時期について、2017年度前半ごろとしている。月末の金融政策決定会合では、新たな経済・物価情勢の展望(展望リポート)をまとめ、18年度までの見通しをあらためて示す。

  日銀は11日、ゼロ金利が適用されるマクロ加算残高の算出に用いる基準比率の見直しを発表した。これについてマイナス金利の拡大を可能にする措置かという質問に対しては「政策をスムーズに進めるために、いろいろ考えていることであり、それ自体が政策の拡大を意味するものではない」と語った。

  原田委員は講演では、マイナス金利政策を採用してからまだ2カ月しかたっていないとして「その効果を見るには無理がある」と述べた。マイナス金利で住宅ローン金利が低下して借り換える動きがあるとしながら「新規の住宅ローンの拡大はまだ見られないようだ」としている。一方で「マイナス金利は、量的・質的金融緩和と合わせて 、所期の効果を発揮している」とも話した。

  3月の国内銀行の貸出金残高は前年比2%増と2013年3月以来の低い伸びにとどまった。マイナス金利による貸出増加効果は統計上まだ見られない。これに対して原田委員は効果が発揮されるには時間がかかるとの見方を示した格好だ。日銀は1月29日の金融政策決定会合でマイナス金利による追加緩和を決定した。2月16日からの準備預金積み期間から当座預金の一部に0.1%のマイナス金利を適用している。

(第4段落以降に会見での発言を追加して更新します.)
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