円下落、原油高・株高でリスク選好の売り優勢-対ドル一時109円台

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  • 一時109円05銭と8日以来の水準までドル買い・円売りが進行
  • ドル・円、少しショートカバーモード-SMBC信託プレスティア

13日の東京外国為替市場では円が下落。原油高や株高を背景にリスク選好に伴う円売りが優勢で、ドル・円相場は一時3営業日ぶりに1ドル=109円台を付けた。

  ドル・円相場は朝方の108円台半ばから、午後には一時109円05銭と8日以来の水準までドル買い・円売りが進行。午後3時40分現在は108円95銭前後となっている。

  SMBC信託銀行プレスティアの尾河真樹シニアFXマーケットアナリストは、原油相場には底打ち感が出てきており、全体的にリスクオンという中でドル・円も「少しショートカバー(買い戻し)モード」になっていると説明。ただ、2月11日以降の下降トレンドの平行ラインの下限を回復するには至っておらず、足元109円30銭辺りの同下限を超えるまでは「底固めしたとの判断はしにくい」と話した。

  この日は原油高を背景にリスク選好の動きから資源国通貨が買われ、円が全面安となった前日の海外市場の流れが継続。中国の3月の輸出が予想以上に増加したことを受け、対オーストラリア・ドルでは一時今月5日以来となる1豪ドル=84円台へ下落した。

  上田ハーローマーケット企画部の小野直人氏は、中国の輸出の増加が世界経済の減速に歯止めがかかりつつある兆候と受け止められれば、リスク回避色がさらに薄まる可能性もあり、「ドル・円は109円台回復や先週末高値の109円10銭超えを試す場面があってもおかしくない」と指摘。もっとも、産油国協議に対する不透明感が残り、米国の追加利上げ見通しがはっきりしない中では、ドル・円の上昇も「あくまでもショートカバーの域を出ない」とみている。
  
  12日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が大幅続伸。サウジアラビアとロシアによる産油量据え置き合意期待から、約4カ月ぶり高値に上昇した。ロシア大統領府のペスコフ報道官はドーハ会合について、イランの姿勢にかかわらず、合意が成立する「希望はある」と述べた。

  原油高を好感して、米国株は反発。13日の東京株式相場も続伸し、日経平均株価は400円を超える上げ幅となった。

米小売売上高

  ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、この日発表される3月の小売売上高は前月比0.1%増と、3カ月ぶりのプラスが見込まれている。

  SMBC信託銀プレスティアの尾河氏は、米経済は堅調だが海外の経済情勢でゆっくりとした利上げが正当化されるというイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言に敬意を表するならば、多少良い数字が出ても反応は限られる可能性があると指摘。ただ、「悪いと利上げが遠のくという話になるので、そういう意味では良いものが出てくるのがまず大前提」と言う。その上で、「地合としてリスクオンの金融環境になっている中で、原油高というプラスの流れになってきたところに政策が出ればそれは効く」と言い、「そういう展開になるかどうか今が正念場だ」と語った。

  自民党議員で構成する「アベノミクスを成功させる会」の山本幸三衆院議員は13日午後、BSイレブンの番組収録で、少なくとも消費増税再延期は当然だとし、10兆円規模の真水の財政拡大政策が必要との考えを示した。また、日銀に対しては国債購入の10兆円程度の拡大や指数連動型上場投資信託(ETF)などの購入拡大を求めた。

  日本銀行の原田泰審議委員は同日午後、下関市内で記者会見し、4月の金融政策決定会合でのマイナス金利の拡大について「可能でないとは言えない」と述べた。

  一方、国際通貨基金(IMF)の対日審査責任者、エフェラールト氏は、現時点で日本の為替介入には正当な理由はないと話した。

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