NY外為:ドルは対円で上昇、下げ過ぎ警戒で7日連続安から反発

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  • ドルは対円で1年半ぶり安値から持ち直す、日米経済の相違を意識
  • IMFは世界経済の成長率予測を引き下げ、米当局は利上げ姿勢

12日のニューヨーク外国為替市場ではドルが対円で上昇し、7日連続安から抜け出した。これまでの円上昇ペースを不安に思ったトレーダーらは、日米両経済の比較に注目している。

  ドルはモメンタムの目安である指標が下げ過ぎの可能性を示唆し、対円で1年半ぶりの安値から持ち直した。円は全面安の展開。麻生太郎財務相は12日、一方的な偏った投機的な動きがあれば必要な措置を取ると話した。

  ドルは年初から対円で10%下落。連邦公開市場委員会(FOMC)が世界経済に対する懸念を指摘し、利上げ回数の予測を引き下げたことが背景にある。フィラデルフィア連銀のハーカー総裁とダラス連銀のカプラン総裁はこの日、政策引き締めでゆっくりとしたアプローチを支持するイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長と同様の認識を示した。国際通貨基金(IMF)は2016年の世界経済の成長率を下方修正。米国は2%、日本は0.6%成長と予想されている。

  野村インターナショナル(ロンドン)のシニアエコノミスト、チャールズ・サンタルノー氏はドルの動きについて、「これまでの軟調を経て値固めに入ったのだろう」と分析。「すでにかなり低い水準を付けた。日本からは引き続き、いつか介入に踏み切る可能性はまだあるとの話が聞こえ、今よりもドルが対円で高い状況の方が好ましいことを、市場に思い起こさせた」と述べた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で0.6%高い1ドル=108円54銭。前日には107円63銭まで下げ、2014年10月以来の安値をつけた。前日までの円7日続伸は2012年9月以来の最長。

  ドルの相対力指数(14日ベース)は11日に24を付け、下げ過ぎの可能性を示唆する30を下回っていた。この水準を割り込むと方向を転じるとみられている。

  中国経済の成長減速が世界の金融市場に影響を及ぼし続けるなか、安全性を求めてこのところ円に資金が流れていた。IMFは2016年の世界成長率予想を3.2%と、1月時点の予想(3.4%)から引き下げた。米国の見通しは輸出不振や投資鈍化で曇り、日本の成長は消費税率引き上げで弱まる一方、原油や小麦などの商品の値下がりが引き続き一次産品生産国の足かせとなるとIMFは分析した。

  クレディ・アグリコルのG10通貨戦略責任者、バレンティン・マリノフ氏(ロンドン在勤)は円が過小評価されているとの見方はもはや通用せず、市場はこれ以上円を買い進めることには慎重になっていると指摘、「円は市場の多くが適正水準と見なすレベルに近づいた」と述べた。
  

原題:Dollar Ends 7-Day Losing Run Versus Yen as Selloff Seen Overdone(抜粋)

(相場を更新し、第2-3段落に追記、第6段落以降を加えます.)
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