米金融当局、新たに2人が次回利上げのタイミングで慎重姿勢支持

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  • ハーカー、カプラン両総裁はFRB議長と同様の認識を示す
  • これに対しラッカー総裁は利上げ支持の立場を表明した

2人の米地区連銀総裁が12日、次の利上げのタイミングをめぐり慎重姿勢を主張した。ドル高や世界経済の低迷が米インフレ加速を阻害していることを根拠に挙げた。これに対し、別の連銀総裁は利上げの論拠は明確だと述べた。

  フィラデルフィア連銀のハーカー総裁とダラス連銀のカプラン総裁はこの日、政策引き締めでゆっくりとしたアプローチを支持するイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長と同様の認識を示した。その後、リッチモンド連銀のラッカー総裁は利上げ支持の立場を表明。サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は年内に2回ないし3回の利上げが妥当だと述べた。市場では、イエレン議長の慎重姿勢表明を受け、4月26、27両日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げはないとの見方が強まっている。 

  ハーカー総裁はフィラデルフィアでの講演で、米経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)は健全だが、低インフレが根強く続けば、当局が掲げる2%のインフレ目標に対する信頼感が損なわれる恐れがあるとの認識を示した。

  同総裁は「こうした状況を考えると、少なくとも非常に近い将来における金融政策に対する私のアプローチは若干、保守的な姿勢が強まる」と述べ、「今後の金融政策の展開について確定的な道を示すことはできないが、より強いインフレデータが示されるまで次回の利上げを見送るとの判断が賢明かもしれない」と指摘した。

  カプラン総裁はこの日、経済専門局CNBCのインタビューで、12月の利上げは正しい判断だったとした上で、1-3月(第1四半期)の米経済成長が弱かったことは、次の行動まで時間をかける必要があることを意味すると述べた。  

  同総裁は「12月の行動は正しいものだったが、この先はゆっくりと行動し、辛抱強くなる必要があると考える」とした上で、「これは行動しないという意味ではない。GDP(国内総生産)が私の予想通りに回復すれば、あまり遠くない将来に再び行動を起こすだろう」と語った。

  ブルームバーグが実施したエコノミスト調査では、1-3月(第1四半期)のGDPは前期比年率1.2%増に減速すると見込まれている。昨年10ー12月(第4四半期)は1.4%増だった。1-3月期GDPは今月28日に発表される。ハーカー、カプラン両総裁は今年FOMCでの投票権を持たない。

  ラッカー総裁はノースカロライナ州ウィルミントンでの講演で、金融市場の混乱と世界的な成長鈍化が米経済にもたらすリスクはそれほど重大ではないと指摘。年初の金融市場悪化はこれまでに「大体において好転」し、インフレ見通しは「安定」したと述べた。

  同総裁は「世界が米国に及ぼすリスクがかなりの程度縮小したことを考慮すれば、緩やかな利上げの道筋にとどまることが賢明だ」とした上で、ドル相場は1月以来下げており、ドル高の米成長への悪影響は「過ぎ去ったと考えるのが妥当だ」と述べた。

原題:Two Fed Officials Urge Caution on Timing of Next Rate Hike (1)(抜粋)

(ラッカー、ウィリアムズ総裁発言などを追加します.)
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