IMF、世界成長見通しを再度下方修正-経済停滞リスクを警告

  • 世界成長率見通し:16年は3.2%、17年は3.5%へ
  • 「もはや失敗が許される余地はあまりない」-チーフエコノミスト

国際通貨基金(IMF)は12日公表した最新の世界経済見通し(WEO)で、低成長の長期化により世界経済は負の衝撃に一段とさらされ、停滞期に陥るリスクが高まっていると警告した。

  IMFは2016年の世界成長率予想を3.2%と、1月時点の予想(3.4%)から引き下げた。米国の見通しは輸出不振や投資鈍化で曇り、日本の成長は消費税率引き上げで弱まる一方、原油や小麦などの商品の値下がりが引き続き一次産品生産国の足かせとなるとIMFは分析した。17年の世界経済成長率は3.5%と予想し、3カ月前の3.6%から下方修正した。

  IMFチーフエコノミストのモーリス・オブストフェルド氏は記者会見用資料で、「低過ぎる成長が長引いている」と述べ、「もはや失敗が許される余地はあまりない」と指摘。「だが、各国当局者が共に直面するリスクをはっきり認識し、それに備える協調行動を取ることにより、信頼感を高め成長を促進し、景気回復の脱線リスクを効果的に防ぐことができる」との認識を示した。

  IMFはまた、「長引く低成長が傷痕となって潜在生産力や消費、投資を抑制する恐れもある」とし、「将来の経済見通しの連続的な下方修正には、世界経済が失速状態に入って広範囲にわたる長期停滞局面に陥るリスクを伴う」と分析。さらに、欧米でのポピュリズムの台頭や英国の欧州連合(EU)残留の是非を問う6月の国民投票、大量の移民・難民流入で高まる欧州の緊張など、政治と地政学上の複数の圧力にも言及した。

  IMFは16年の米国とユーロ圏の成長率予想を0.2ポイントずつ引き下げた。日本の成長率については先進国で最も大幅に下方修正し、16年を0.5%に半減。17年は従来予想の0.3%からマイナス0.1%に下げた。最近の円高と新興国需要の減少、17年に予定する消費増税を理由に挙げた。

  一方で中国については、「回復力ある内需」とサービス業の成長が製造業の弱さを埋め合わせる兆候を受け、今年と来年の成長率見通しを0.2ポイントずつ上方修正した。

  
原題:IMF Warns of Global Stagnation as It Cuts Growth Outlook Again(抜粋)

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