【個別銘柄】がん薬期待の小野薬高い、野村や銀行急伸、JSRは下落

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12日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  小野薬品工業(4528):前日比4.8%高の5383円。抗悪性腫瘍剤「オプジーボ点滴静注20mg、100mg」の2017年3月期の売上高予想は1260億円、と11日に発表した。16年3月期は212億円で、従来想定の175億円を上回った。悪性黒色腫と非小細胞肺がんでの推定使用患者数(累計)は、15年12月末時点の1357人に対し3月末時点は4888人。メリルリンチ日本証券は、目標株価を4860円から5300円に引き上げた。オプジーボの快走が続き、足元の服用患者累計数をみる限り、会社側の今期の国内予想も依然保守的な印象とした。

  野村ホールディングス(8604):7.4%高の481.5円。欧州株式ビジネスからの撤退と人員削減を計画していることが分かった。米州事業の一部縮小も計画しており、今後の海外事業整理を通じた採算改善を見込む買いが入った。

  銀行株:三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が5.9%高の505.7円などメガバンク株のほか、東証1部の上昇率上位にも6.6%高の355円となったふくおかフィナンシャルグループ(8354)をはじめ地銀株が並んだ。不良債権処理に取り組む基金設立を材料に前日の欧州株市場でイタリアの銀行株の上昇が目立ったほか、日本銀行が11日、ゼロ金利が適用されるマクロ加算残高の算出に用いる基準比率の見直しを発表したことを材料視する向きもあった。りそな銀行の黒瀬浩一チーフ・マーケット・ストラテジストは、「今後もマイナス金利よりもゼロになる部分が多くなるのではないかという期待が入っている」と指摘した。

  大塚ホールディングス(4578):8.4%高の4200円。モルガン・スタンレーMUFG証券は11日、投資判断を「イコールウエート」から「オーバーウエート」、目標株価を4200円から5200円に上げた。4つのアルツハイマー新薬がフェーズ2からフェーズ3の段階にあり、17年以降に結果が集中すると指摘。売り上げが各20億ドル前後になる可能性があり、業績貢献は大きいとの見方を示した。

  電子部品株:野村証券は11日付の電子部品リポートで、中国国内市場向けのスマートフォンの出荷台数が3月に前年同月比26%増の4047万台だった、と指摘。スマホ向け電子部品の出荷は2月を底に3月から回復したとみており、4月以降もiPhone(アイフォーン)向けの出荷調整が終わる部品からもう一段の出荷増が期待できる、と予想した。村田製作所(6981)が4.8%高の1万3305円、アルプス電気(6770)が4.1%高の1770円、ミネベア(6479)が6%高の847円など。

  JSR(4185):6.3%安の1409円。16年3月期の連結営業利益は340億円と、従来計画の410億円から下振れたもようと11日に発表。エラストマー事業での販売数量減少や市況低迷によるマージン悪化に加え、第4四半期以降の円高進行、フラットパネル・ディスプレー材料の減速なども響く。前の期比では7.7%増益が一転、11%減益。メリルリンチ日本証券はネガティブ・サプライズとし、目標株価を1480円から1330円に下げた。LCD材料、合成ゴムが想定外に不振で、投資判断「アンダーパフォーム」を継続。

  吉野家ホールディングス(9861):5.1%高の1409円。11日に発表した17年2月期の連結営業利益計画は前期比2.1倍の34億円。現地化を通じた海外の成長拡大も見込み、54%減の16億1300万円だった16年2月期からの改善を計画する。前期ははなまるや京樽、海外が伸びた一方、主力の吉野家で牛すき鍋膳の販売が減少、食材の評価損計上の影響を受けた。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、V字回復でややポジティブな印象と指摘。米国産牛肉の市況安が続き、原料安メリットが大幅増益計画の背景と分析した。

  博報堂DYホールディングス(2433):2%高の1218円。11日に3月度の売上高速報を公表、主力の博報堂はテレビやインターネットメディア、マーケティング/プロモーションなどがけん引し、前年同月比10.1%増だった。

  ヨンドシーホールディングス(8008):13%高の2774円。16年2月期の連結営業利益は前の期比12%増の61億1300万円だった、と11日に発表。ジュエリー事業で主力の「4℃」ジュエリーが好調、積極的に出店を拡大した「canal4℃」も大幅に伸び、アパレル事業の低調を吸収した。17年2月期は前期比7.1%増の65億5000万円を見込む。

  コーナン商事(7516):5.1%高の1649円。16年2月期営業利益は前の期比23%増の146億円と、従来計画の129億円から上振れたもようと11日に発表。季節商品やペット用品を中心に1、2月の売り上げが好調だったほか、経費抑制に努めたことを踏まえた。

  ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(3222):6.5%安の988円。11日に発表した17年2月期の連結営業利益計画は前期比2%増の143億円。増益率は、マルエツとカスミ、マックスバリュ関東3社の単純合算比で前の期から20%増えた16年2月期からは鈍る。

  山洋電気(6516):3.6%高の492円。小型で持ち運び可能な測定器「San Aceエアフローテスター」を開発、発売したと11日に発表。装置の熱対策に必要な通風抵抗、風量の測定ができる。重さは約6キログラムで大型装置を移動させる必要がない。今後の業績貢献が見込まれた。

  プロパスト(3236):80円(19%)安の342円とストップ安。15年6月-16年2月期の営業利益は前年同期比14%減の4億4200万円だった、と11日に発表。首都圏マンション販売戸数が弱含みで推移している影響を受け、主力の不動産販売事業が減収減益だった。

  オオバ(9765):8.9%高の440円。15年6月-16年2月期の連結営業損益は6億3700万円の赤字と、前年同期の7億500万円の赤字から損失が減ったと12日午後に発表。震災復興関連業務、民間取引が好調に推移しているという。16年5月通期計画は前期比15%増の9億1000万円を据え置き。

  三洋工業(5958):11%高の160円。16年3月期の連結営業利益は8億5000万円と従来計画の5億円を上回ったもよう、と12日午後に発表。耐震・震災復興関連消費の好調に加え、主要原材料の鉄、アルミ価格の低下も寄与し、前の期比の減益率は47%から10%に縮小する。同社は天井・床・壁下地材メーカー。

  ナノキャリア(4571):10%安の1525円。みずほ証券は11日、投資判断を「買い」から「中立」に下げた。現在の株価は、先行するパイプラインの抗がん剤「NK105」とそれに続く開発品の成功確率を妥当レベルまで織り込んだと判断。また、足元ではバイオ銘柄への若干の過熱感もあり、当面は開発動向に注視すべき局面とみている。

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