米国債:もみ合い、金融政策当局の世界経済への注目が利回りに影響

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11日の米国債相場はもみ合い。利回りは2カ月ぶり低水準付近で推移した。世界経済が緩慢な成長にとどまっている兆候を受け、市場は米金融当局の利上げの道筋を見極めようとしている。

  10年債入札(発行額200億ドル)を13日に控える中、この日の市場で10年債利回りはほぼ変わらず。今週は発行総額560億ドルの国債入札が実施される。今週発表の経済指標では、エコノミスト調査では3月の小売売上高の増加と消費者物価指数(CPI)の上昇が見込まれている。2月はともにマイナスだった。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は3月29日、世界経済の影響でリスクが高まっているため、利上げに対する慎重姿勢は「特に正当化される」と説明。米金融当局者らは、海外の中央銀行が刺激策を拡大する中でも、米経済データの改善を受けて政策引き締めを検討している。ブルームバーグがまとめたデータによれば、先物トレーダーらは年末までの利上げ確率について約47%と織り込んでいる。

  三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス氏(ニューヨーク在勤)は「複雑なセンチメントになっている」と指摘。「金融当局は、イエレン議長が投げ掛けたことにより世界の成長という第3の責務を導入した。それにより、低金利維持の道を見いだす新たな扉が開かれた」と続けた。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前週末比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)未満上昇の1.73%。先週7日には一時1.69%と、2月11日以来の低水準を付けていた。同年債(表面利率1.625%、2026年2月償還)価格は2/32下げて99 3/32。

  米財務省は今週、10年債入札のほか、12日に3年債入札(発行額240億ドル)、14日に30年債入札(同120億ドル)を実施する。

  BMOキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、アーロン・コーリ氏は「今週の入札のほとんどでかなりの需要があるだろう」とし、「市場はなお、中央銀行にとって実行可能な政策を見極めようとしている」と続けた。

  ダドリー総裁は先週、米経済の見通しをめぐる不確実性は通常より高まっているとし、利上げに関しては「慎重で段階的なアプローチ」が適切だとの認識を示した。

  ヘッジファンドのアーマード・ウルフの創業者、ジョン・ブリンジョルフソン氏は11日のブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「当局が年内に政策を引き締めるのは難しいかもしれない」とし、「短期的には、債券利回りは低水準にとどまる公算が大きく、長期の上昇局面に入る前に、今の水準からさらに下げる可能性さえある」と分析した。

  ヘッジファンドマネジャーなど大口投機家による10年債先物の下落を見込んだポジションは、先週の時点で5カ月ぶり高水準となった。

  商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、10年債先物の売越幅は5日終了週に11万7305枚と、昨年11月3日終了週以降で最大だった。

原題:Fed’s Global Focus Keeps U.S. 10-Year Yields Near Two-Month Low(抜粋)

(第6段落以降を追加し、更新しますます.)
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