【インサイト】バークレイズCEO、クレジットカード活用はお早めに

英銀バークレイズのジェス・ステーリー最高経営責任者(CEO)は前任者から一つだけ素晴らしい置き土産を受け取った。クレジットカード事業のバークレイカードだ。

  アントニー・ジェンキンス前CEOがかつて統括していた同事業の有形株主資本利益率(ROE)は昨年22%と、バークレイズ全体の4倍近くを記録した。

  ステーリーCEOにとって最も賢明な行動は、クレジットカード事業の売却かもしれない。同事業の昨年の税引き前利益は前年同期比22%増の16億ポンド(約2460億円)と、全行のほぼ4分の1を占めた。貸し倒れ損失は減少傾向で、顧客は09年に比べ3分の2以上増えている。

  売却やスピンオフすれば高いバリュエーションが得られるだろう。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)の決済部門だったワールドペイは昨年の株式公開で、バリュエーションが利益の16倍を超えた。これをバークレイカードに当てはめると時価総額は260億ポンド以上にもなり、バークレイズ全体を上回る。

  ただ、ステーリーCEOは急いだ方がいい。動きの速いフィンテック企業は決済業界全体への脅威であるし、中国勢の台頭もリスクだ。

  バークレイズはアフリカ部門の売却を決めている。英国の消費者向け事業と米英を中心とする投資銀行事業との関連が小さいことが理由だ。これはバークレイカードにも当てはまりつつある。英国の消費者向け事業との関連はもちろん深いが、最近の利用者の伸びは海外が主体だ。

   バークレイカードを株式公開してワールドペイよりも低い株価収益率(PER)になったとしても、投資銀行やアフリカ部門よりは高いバリュエーションが得られるだろう。ステーリーCEOにとって勇気のいる決断ではあるが、高値で売るのが投資の基本だ。

(このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピーの意見を反映するものではありません)

原題:Staley Needs to Flash His Barclaycard Before It Expires: Gadfly(抜粋)

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