MUFGが首位、15年度社債引き受け-マイナス金利で今年は起債復活

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  • MUFG(シェア31%)に次いで野村HD、みずほFGの順
  • マイナス金利の債券は買えず社債への投資選好強まると坂口憲治氏

2015年度の日本の社債引き受けランキングは、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が首位に立った。日本銀行が1月、マイナス金利政策を導入したのを受けて、社債の対国債スプレッド(上乗せ金利)が3年ぶり高水準となる中、同証券は今年の発行額は増加に転じると予想している。

  ブルームバーグの集計データによると、同証券の引受額は2兆1500億円余りでシェア31%とトップ。2位は野村ホールディングス(同18%)、3位みずほフィナンシャルグループ(同17%)と続く。15年度の社債発行額は9年ぶり低水準となった。発行体は極端に低いコストで調達できると同時に、プラス利回りを求める投資家の需要は強まっていると、三菱UFJモルガン・スタンレー証は電子メールでコメントした。

  日銀のマイナス金利政策のおかげで、社債の発行体は長期にわたって調達金利を低く抑えることができる。また、投資家にとっては社債のスプレッドが拡大し、プラスの利回りを確保しているのが魅力だ。社債金利はベースとなる国債利回りに企業の信用力を示すスプレッドを乗せて決まるが、国債利回りの低下幅が大きく、スプレッドは拡大基調にある。

  プルデンシャル・インベストメント・マネジメント・ジャパンの坂口憲治取締役投資運用本部長は社債について、ベース金利の国債利回りが「こんなに下がっている中でスプレッドで見ると魅力的なものが出てきている」と指摘。「通常の投資家はプラスのリータンを求めているから、より年限の長いクレジット一般債への投資になると思う」との見方を示した。

  バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチのデータによると、日本企業の社債の対国債スプレッドは平均で先週末に41ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と13年2月以来の高水準となった。日銀がマイナス金利政策を決定した1月29日と比べると、12bp上昇した。

  15年度の起債額が最も多かったのは三菱UFJフィナンシャル・グループで、7950億円相当の劣後債を発行した。2月発行分は表面利率が1.94%。三菱UFJモルガン・スタンレー証は三菱地所債や三菱商事債で主幹事を務めた。

今年は8兆円台に回復も

  SMBC日興証券によると15年度の公募普通社債の発行額は前年度比20%減の6兆9412億円。今年度の社債発行額については、銀行債や電力債を中心に8兆円に回復するとみている。三菱UFJモルガン・スタンレー証も、金融機関が劣後債を発行し続けるとともに、一般事業法人の間でも劣後債などハイブリッド債での調達に関心が高いとしている。

  日銀が1月にマイナス金利政策を導入して以降、三井不動産が30年債(表面利率1.33%)、JR西日本が40年債(同1.575%)を発行している。

  プルデンシャル・インベストメントの坂口氏は、社債以外の選択肢は外債だと指摘している。

(第7段落以降を追加して、更新しました.)
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