4月11日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル下落、9カ月ぶり安値-利回り求め資金が国外に

11日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落し、一時は約9カ 月ぶり安値を付けた。連邦公開市場委員会(FOMC)による追加利上 げは早期に実現しないとの見方から、投資資金は高いだいつ利回りを求 めて国外に向かった。

トレーダーらが織り込む年末までの利上げ確率が低下する中、主 要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指 数は昨年6月以来の水準に下げた。高利回り資産への投資配分を引き上 げる動きが進み、南アフリカ・ランドやブラジル・レアル、ニュージー ランド・ドルなど商品輸出国の通貨に買いが入った。

ドイツ銀行のストラテジスト、セバスチャン・ゲーリー氏は「市場 では総じてドルの弱さに基づいたトレードが活発になっているが、リス ク資産の戻りもある程度影響している」と指摘。「ドルを取り巻く通貨 市場は値固めの局面に入ろうとしている。良好なデータが出たとして も、米当局がポリシーを大きく変更するとの見方にはならないだろう」 と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ブルームバーグ・ドル・スポット 指数は0.4%下げて1174.16。ドルは対ユーロでほぼ変わらずの1ユーロ =1.1408ドル。対円では0.1%安い1ドル=107円94銭。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、主要7カ国の10年債利 回り平均水準に対する米10年債の上乗せ利回りは、この日0.74ポイント に下げ、2月以来の最低に迫った。

先物市場に織り込まれている年末までの利上げ確率は47%。1週間 前の58%から低下している。投資家は同時にドル上昇を見込むポジショ ンを減らしている。商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれ ば、8通貨に対するドルのネットロングは3万6304枚に減少、2014年7 月以来の少なさだった。

ドルのモメンタムの目安である相対力指数(RS、14日ベース) は、下げ過ぎを示唆するとされている30に下落している。この水準を付 けると反転する可能性があるとみられている。

ウェルズ・ファーゴのストラテジスト、エリック・ビロリア氏(ニ ューヨーク在勤)は「当面の間、ドルの短期見通しについては総じてニ ュートラルな見方を維持する。現在の値固め的な値動きは今週継続する 可能性が高いだろう」とリポートで指摘した。

原題:Dollar Falls to 9-Month Low as Traders Look for Yield Overseas(抜粋)

◎米国株:下落、四半期決算発表の本格化控え不安が高まる

11日の米国株は下落。取引終盤にそれまでの上昇分を消した。投資 家は金融危機以来と予測される厳しい四半期決算の発表に備えている。

S&P500種株価指数は前営業日比0.3%安の2041.99。S&P500種 の中で年初来のパフォーマンスが最も悪かった金融株は、この日は上昇 した。JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックス・グループは いずれも高い。ダウ工業株30種平均は20.55ドル(0.1%)安の17556.41 ドル。

オッペンハイマーのジョン・ストルツファス氏は「疑いや不安が高 まっている。大抵は決算シーズンをめぐるものだ。結局のところ市場は 不安を乗り越えて、株価の上げを取り戻すしかない」と続けた。

11日の取引終了後に発表されたアルコア決算を皮切りに、第1四半 期の決算シーズンがスタートした。同社1-3月期の1株当たり利益は 7セントと、アナリスト予想を5セント上回った。売上高49億5000万ド ルは予想の52億ドルに届かず、株価は引け後の電子取引で一時0.4%下 落した。

アナリスト予想では米企業の第1四半期利益は10%減が見込まれて いる。特に銀行では20%減益が予想されている。今週はJPモルガンや バンク・オブ・アメリカ(BofA)、シティグループが決算を発表す る。

この日はチェサピーク・エナジーが20%急伸。2019年に満期を迎え る40億ドルの有担保リボルビング信用枠に関する銀行団との合意内容を 修正した。

ヤフーは1.1%高。英紙デーリー・メールの親会社デーリー・メー ル・アンド・ゼネラル・トラスト(DMGT)は、ヤフーを買収する可 能性について複数の企業と協議中であると明らかにした。

バイオテクノロジー企業は下落。ナスダック・バイオテクノロジー 株価指数は3営業日連続で下げた。エンドー・インターナショナルは 8%安、インシス・セラピューティクスは19%急落した。

ハーツ・グローバル・ホールディングスは11%安。2016年の米レン タカー収入は横ばいか1.5%減と予想したことがきっかけ。従来予想で は1.5%以上の増収が見込まれていた。同業のエイビス・バジェット・ グループも安い。

アンダーアーマーのクラスA株式は5.5%安。モルガン・スタンレ ーが目標株価を32ドルと、先週末の株価終値を27%下回る水準に引き下 げたことが嫌気された。

米石油掘削機器メーカー最大手のナショナル・オイルウェル・バー コ(NOV)は6.2%下落。同社が発表した暫定集計によれば、第1四 半期売上高は前四半期比約20%減の21億6000万ドルだった。

原題:U.S. Stocks Fall as Alcoa Kicks Off Quarterly Earnings Season(抜粋)

◎米国債:もみ合い、金融政策当局の世界経済への注目が利回りに影響

11日の米国債相場はもみ合い。利回りは2カ月ぶり低水準付近で推 移した。世界経済が緩慢な成長にとどまっている兆候を受け、市場は米 金融当局の利上げの道筋を見極めようとしている。

10年債入札(発行額200億ドル)を13日に控える中、この日の市場 で10年債利回りはほぼ変わらず。今週は発行総額560億ドルの国債入札 が実施される。今週発表の経済指標では、エコノミスト調査では3月の 小売売上高の増加と消費者物価指数(CPI)の上昇が見込まれてい る。2月はともにマイナスだった。

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は3月29日、世界 経済の影響でリスクが高まっているため、利上げに対する慎重姿勢は 「特に正当化される」と説明。米金融当局者らは、海外の中央銀行が刺 激策を拡大する中でも、米経済データの改善を受けて政策引き締めを検 討している。ブルームバーグがまとめたデータによれば、先物トレーダ ーらは年末までの利上げ確率について約47%と織り込んでいる。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「複雑なセンチメントになっている」と指 摘。「金融当局は、イエレン議長が投げ掛けたことにより世界の成長と いう第3の責務を導入した。それにより、低金利維持の道を見いだす新 たな扉が開かれた」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前週末比1ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)未満上昇の1.73%。先週7日には一時1.69%と、2月11 日以来の低水準を付けていた。同年債(表面利率1.625%、2026年2月 償還)価格は2/32下げて99 3/32。

米財務省は今週、10年債入札のほか、12日に3年債入札(発行 額240億ドル)、14日に30年債入札(同120億ドル)を実施する。

BMOキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、アーロン・ コーリ氏は「今週の入札のほとんどでかなりの需要があるだろう」と し、「市場はなお、中央銀行にとって実行可能な政策を見極めようとし ている」と続けた。

ダドリー総裁は先週、米経済の見通しをめぐる不確実性は通常より 高まっているとし、利上げに関しては「慎重で段階的なアプローチ」が 適切だとの認識を示した。

ヘッジファンドのアーマード・ウルフの創業者、ジョン・ブリンジ ョルフソン氏は11日のブルームバーグテレビジョンのインタビューで、 「当局が年内に政策を引き締めるのは難しいかもしれない」とし、「短 期的には、債券利回りは低水準にとどまる公算が大きく、長期の上昇局 面に入る前に、今の水準からさらに下げる可能性さえある」と分析し た。

ヘッジファンドマネジャーなど大口投機家による10年債先物の下落 を見込んだポジションは、先週の時点で5カ月ぶり高水準となった。

商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、10年債先物の 売越幅は5日終了週に11万7305枚と、昨年11月3日終了週以降で最大だ った。

原題:Fed’s Global Focus Keeps U.S. 10-Year Yields Near Two-Month Low(抜粋)

◎NY金:続伸、3週ぶり高値-ドル下落や緩やかな米利上げ見通しで

11日のニューヨーク金先物相場は続伸。ほぼ3週間ぶりの高値とな った。ドルが下落したことや米利上げペースは緩やかになるとの観測が 背景。

ハイリッジ・フューチャーズ(シカゴ)の金属取引担当ディレクタ ー、デービッド・メーガー氏は電話インタビューで、「4月の米利上げ はないとの観測によるドルの顕著な弱さがテーマになっている」と指 摘。「米金融当局は以前に考えられていたよりも、前進することにやや 消極的に見える」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前週末 比1.1%高の1オンス=1258ドルで終了。一時は1260.90ドルと、3月22 日以来の高値をつけた。

銀先物も上昇。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナ とパラジウムも値上がりした。

原題:Gold Advances to Highest in Three Weeks on Dollar, Rate Outlook(抜粋)

◎NY原油:40ドル台、ドーハ会合控えブレント4カ月ぶり高値

11日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が続伸。ロンドンの北海ブレント原油も 上昇し、4カ月ぶり高値。ドーハで17日に開催される産油国会合を控 え、生産調整への期待が高まっている。ドルが一時9カ月ぶり安値に下 げたことも、原油をはじめ商品相場を押し上げた。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「日曜 の会合に向けて盛り上がっている」と話す。「合意に達するとの観測に 基づく買いも入っている。会合を控えてショートの買い戻しがかなりあ るだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前週 末比64セント(1.61%)高い1バレル=40.36ドルで終了。終値ベース で3月22日以来の高値。ロンドンICEのブレント6月限は89セント上 昇し42.83ドル。昨年12月4日以来の高値で終えた。

原題:Oil Climbs to Four-Month High as Doha Talks on Output Cap Near(抜粋)

◎欧州株:続伸、イタリアの銀行株が上げ主導-鉱業株も高い

11日の欧州株式相場は続伸。銀行株と鉱業銘柄の上げが目立った。 指標のストックス欧州600指数は週ベースで先週末まで4週続落となっ ていた。

この日は先週売りを浴びたイタリアの銀行株が上げを主導した。バ ンコ・ポポラーレとUBIバンカが大幅高。同国の財務省と中央銀行の 当局者が大手銀行の幹部らと不良債権処理に取り組む基金設立について 協議すると、事情に詳しい関係者が明らかにした。金属価格の上昇を背 景に、アングロ・アメリカンとアルセロール・ミタルも大きく買われ た。

ストックス600指数は前週末比0.3%高の332.87で終了。安値で は0.8%下落、高値では0.9%上げる場面があった。

BGCパートナーズ(ロンドン)の市場ストラテジスト、マイケ ル・イングラム氏は「いわゆる『デッド・キャット・バウンス (相場 の大幅下落後の一時的な反発)』のようだ。基本的に不安定で引き続き 極めて脆弱(ぜいじゃく)だ」とし、「投資と言うよりはポジショニン グだ。活況銘柄に注目すると、銀行株が押し上げているようだ。恐らく イタリア中銀と財務省がこの日、基金設立で会合を開いたとのニュース がセンチメント改善に寄与したのだろう」と語った。

イタリアのFTSE・MIB指数は1.3%上昇と、ブルームバーグ が集計する先進国の主要株価指数の中で最大の上げとなった。スペイン のIBEX35指数とドイツのDAX指数も上昇した。

原題:European Stocks Buoyed by Italian Lenders After Weekly Decline(抜粋)

◎欧州債:フランス中心に長期債下落-20年債と50年債の発行計画で

11日の欧州債市場ではフランス国債を中心にユーロ参加国の長期債 が下落した。同国が銀行団を通じて期間20年と50年の債券を発行する計 画を発表したことが背景にある。

ドイツ10年債も値下がりし、利回りは約1年ぶりの低水準から上 昇。フランス当局はウェブサイトに掲載した声明で、市場の状況を見つ つ2036年5月と66年5月の償還債を近く発行する方針を明らかにした。 ブルームバーグ・世界国債指数によれば、残存期間20年超のフランス国 債の年初来リターンはこれまでプラス14%。同国債全体では4.3%とな っている。

みずほインターナショナルの金利戦略部門責任者、ピーター・チャ ットウェル氏(ロンドン在勤)は、「まず市場が吸収するのにかなりの 規模となりそうで、これを理由に相場全体が下落した」と述べた上で、 「だが、需要が構造的に長期債へと移行した強力な証拠として、数週間 後には重大な分岐点だったと振り返ることができるのではないか」と語 った。

ロンドン時間午後4時10分現在、フランス30年債利回りは前週末比 7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.42%。価格(表 面利率3.25%、2045年5月償還)は2.02下げ143.525。2060年4月償還 債の利回りも7bp上昇の1.64%。これは先月2日以来の大きな上げ。

ドイツ30年債利回りは5bp上げ0.80%。10年物利回りは2bp上 昇し0.12%。一時は0.07%と、2015年4月21日以来の低水準を付けた。 2年物利回りはほぼ変わらずのマイナス0.519%。マイナス0.524%まで 下げる場面もあった。

原題:France’s Bonds Lead European Declines as Nation Plans Debt Sales(抜粋)

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