円が対ドルで1年5カ月ぶり高値更新、日本株下落で一時107円63銭

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  • 日経平均が一時300円近く下落後に下げ渋り、ドル・円はもみ合いに
  • ドル・円は今週も下値リスクが高い状況が続く-しんきんAM加藤氏

11日の東京外国為替市場では円が上昇し、対ドルで1年5カ月ぶり高値を更新した。菅義偉官房長官からの円高けん制発言にもかかわらず、日本株の下落を背景にリスク回避の連想から円を買う動きが強まった。

  ドル・円相場は一時1ドル=107円63銭と2014年10月27日以来の水準までドル売り・円買いが進行。前週末の原油高や米株高に加え、官房長官発言の報道もあり、朝方はオセアニア時間に付けた107円82銭から108円33銭まで円売りが進行。しかし、日本株が反落して始まると円買いが強まり、ドル・円は再び108円を割り込んだ。午後3時半現在は107円77銭前後。

  しんきんアセットマネジメント運用部の加藤純主任ファンドマネージャーは、米金利が低下するなどドル買い材料に乏しい中で、ドル・円は今週も下値リスクが高い状況が続くと予想。「日本の介入についても、口先でのけん制は出ているが、G7(主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議)を控えていることや、そもそも105円という水準で介入が必要かといわれるとそうではないと思う」と言い、懐疑的な見方を示した。

  11日の東京株式相場は3日ぶりに反落。日経平均株価は一時300円近く下げる場面が見られた。ただ、午後は下げ渋る展開となり、ドル・円相場も107円後半を中心にもみ合った。朝方発表された2月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は前月比9.2%減となった。市場予想は12%減だった。 

  菅官房長官は外為市場で一時107円台の円高水準となったことについて、偏った動きには「日本として対策をやる用意がある」と語ったと、10日午後にロイター通信が報じた。菅氏は11日の記者会見でも、為替市場では一方に偏った投機的な動きが見られているとし、緊張感を持って注視し、場合によっては必要な措置を取りたいと述べた。

  あおぞら銀行市場商品部部長の諸我晃氏は、「政府高官から口先介入も聞こえてくるが、実際に為替介入を行うのは難しい」とし、「口先介入は一定の歯止めにはなるが、目先は円高傾向が変わらないだろう」と話した。

  中国が発表した3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.3%上昇で、市場予想(同2.4%上昇)をやや下回った。3月の生産者物価指数(PPI)は同4.3%低下で、市場予想は同4.6%低下だった。

  ユーロ・円相場は1ユーロ=123円66銭まで円安に振れた後、一時122円86銭までユーロ売り・円買いが進み、同時刻現在は123円12銭前後。ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.14ドル割れの水準まで弱含んだ後、1.14ドル台前半へ反発し、足元では1.1425ドル前後となっている。 

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