【インサイト】がっかり、悲惨、ひどい、悪い-1-3月の投資銀決算

がっかり。悲惨。ひどい。1-3月(第1四半期)の投資銀行の業績を形容するのにどの言葉を使ってもいいが、とにかく悪いということだ。

  米銀勢を皮切りに、今週から決算発表が始まる。最もひどいのは恐らく、その後に控えるドイツ銀行クレディ・スイスバークレイズの欧州3行だろう。いずれも新しい最高経営責任者(CEO)の下で事業再編中だ。

  顧客の活動が年初に活発になるため、1-3月は通常、投資銀行にとって最良の四半期だ。しかし今年は違う。金融市場の変動の激しさを前に大きな取引を試みる勇気ある顧客はほとんどいなかったと、バンカーらは語っている。

  ブルームバーグのデータによれば、今年1-3月に発表された株式発行や売り出しの規模は前年同期の約半分となり、債券発行は7.6%減。米高利回り債の起債は54%減り、完了した合併・買収(M&A)は82%の急減だ。

  債券・通貨トレーディングからの収入は金融危機以降減り続け、引き受けや助言業務の低迷を補うことはできない。バーンスティーンのアナリストらは同収入が2009年の半分以下になったと見積もっている。株式トレーディングからの収入も、2月の相場変動の影響で減った公算が大きい。1-3月の世界の1日平均株取引高は5.3%減少した。

  ゴールドマン・サックスのアナリストらによれば、1-3月の投資銀行の収入は全体で前年同期比25%前後減ったもよう。

  投資家は既に警告を受けている。バークレイズは1-3月の業績が前年同期を下回ると繰り返し予告しているし、JPモルガン・チェースは投資銀行の第1四半期収入が約25%減との見積もりを明らかにした。他の銀行もそれぞれさえない見通しを示しており、それに伴ってアナリストも判断を下方修正。ドイツ銀の通年の利益予想は今年に入ってから40%引き下げられた。

  バークレイズ、クレディ・スイス、ドイツ銀の新CEOらは、不運な時期にそれぞれの銀行の立て直しに取り組むことになったものだ。

  収入の落ち込みがコスト削減と資産圧縮を迫るが、これがさらなる減収を招く要因になる。その結果ひどい決算を発表すれば、長期的に持続可能なリターンを実現するために進展しているとアピールできない。3人のCEOは全力で、投資家の目を四半期決算の数字からそらせようとする一方、資産売却なりコスト削減なり、少しでもプラスのニュースにすがりつくだろう。しかし、投資家はこれら銀行の株式バリュエーションを既に何年ぶりかの低水準に押し下げている。過度な期待には水を差し、悪いニュースからは注意をそらすという戦術だけでは、これを反転させられない。

(このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピーの意見を反映するものではありません)

原題:There’s Bad, Really Bad, and This Round of Bank Earnings: Gadfly(抜粋)

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