4月8日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:週間ベースで円が上昇、2月以来で最大の上げ

8日のニューヨーク外国為替市場では円が上昇、週間ベースで2月 以来の大幅高となった。為替のボラティリティは4年ぶり高水準に迫っ た。

円は主要16通貨に対して週間ベースで2.2%以上値上がりした。年 度初めに伴い輸出企業による海外利益の本国送金(レパトリエーショ ン)や日本の為替介入を疑問視するトレーダーの見方が背景だ。日本銀 行は1月29日にマイナス金利を導入したが、年初来11%上昇している円 高を抑制できていない。

スイスクオート・バンクの市場戦略責任者、ピーター・ローゼンス トライヒ氏は「ボラティリティの上昇は米金融政策をめぐる不透明感や 英国の欧州連合(EU)離脱(「Brexit」)、日本の通貨当局の 円高対応が要因の一部だ」と述べ、「市場参加者はアベノミクスに疑問 を持ち始めている。方向性があまりなく市場参加者は神経質になってい る」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで0.1%上昇して1ド ル=108円07銭。円はユーロに対して0.1%安の1ユーロ=123円19銭。 週間ベースでの上げを3.3%に削った。

JPモルガン・チェースの主要7カ国(G7)通貨ボ ラティリテ ィ指数は上昇し、2011年以来の高水準に迫った。G7のボラティリティ は昨年8月以降で初めて新興市場国通貨の指数を上回った。

円の一段高に備えるヘッジも拡大、オプション市場のリスクリバー サル価格は主要31通貨のうち今後6カ月間でドルに対して円が最も上昇 すると示唆されている。

日本の当局者は円の動きを注視する姿勢を見せているが、積極的に 介入する意向を示す兆しはほとんどない。

麻生太郎財務相はこの日の会見で、為替相場について急激な変化を 最も望まないと述べた。また菅義偉官房長官は閣議後会見で、為替市場 の動向を緊張感を持って注視し、場合によっては必要な措置を取ること にしたいと話した。

野村インターナショナルのシニアエコノミスト、チャールズ・サン タルノー氏(ロンドン在勤)は、「一晩で為替に対する発言が強まっ た」と述べ、「円に引き続き高い注目が集まるだろう。円は当局者も懸 念する水準にある」と続けた。

原題:Yen’s Best Week Since February Drives Surge in Volatility Gauge(抜粋)

◎米国株:小幅高、エネルギーに買い-週間は2月以来大幅安

8日の米株式相場は小幅高。原油が大幅高となったことを受けてエ ネルギー株が買われた一方、バイオ技術株は下落した。S&P500種株 価指数は週間ではマイナスで終えた。

S&P500種株価指数は前日比0.3%高の2047.60。一時は0.9%上昇 した。週間では1.2%安と、2月5日以降で最大の下げとなった。ダウ 工業株30種平均はこの日、35ドル(0.2%)高の17576.96ドル。

オークブルック・インベストメンツの共同最高投資責任者、ピータ ー・ジャンコブスキス氏は「企業決算をめぐり根強い不透明感がある」 とし、「きのうは確実にリスクオフの取引が見られた。しかし決算で利 益減が予想される状況では、投資家はどちらの方向にも大きなポジショ ンを取れない」と続けた。

S&P500種ではエネルギー株指数が2%高と大きく上げた。シェ ブロンは1.6%高。ニューヨーク原油先物相場は6.6%上昇して引けた。 一方で衣料品チェーンのギャップは14%安。3月の既存店売上高が市場 予想を下回った。

S&P500種は年初水準から約0.2%高。過去3週間、2050から1% 以内の水準での推移が続いている。各国の金融政策が世界の成長を支え るとの楽観から、当局の取り組みは成長減速をかわすには不十分な可能 性があるとの懸念に、市場のセンチメントは変わってきている。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は週間ベースでは1月以降で最大の上げとなった。

投資家は新たな手がかりを得ようと、企業決算に注目している。11 日発表のアルコア決算を皮切りに、第1四半期の決算シーズンがスター トする。S&P500種採用企業は9.5%減益が予想されている。年初の時 点では横ばいが見込まれていた。実際に9.5%減益となった場合、金融 危機以降で最悪の決算シーズンになる。

イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言や3月の連邦 公開市場委員会(FOMC)会合の議事録は、政策当局者らが利上げに 急いでいないことを再確認させる内容で、先物トレーダーらが織り込む 4月利上げの確率はゼロとなっている。確率が初めて50%以上に上昇す る時期は先週の時点で12月だったが、今では2017年2月にずれ込んでい る。

原題:U.S. Stocks Edge Higher as Crude Rally Offsets Slump in Biotech(抜粋)

◎米国債:下落、原油や株価の上昇で-景気指標改善の見通し

8日の米国債相場は下落。株価や原油の上昇を受けて売りが優勢に なった。来週発表される一連の米経済指標は景気の勢いが上向きつつあ ることを示すと予想されている。米国債は週間ベースでは2週連続の上 昇。

米10年債利回りは上昇。商品や株価が持ち直したことから、安全な 逃避先とされる米国債の需要が減退した。エコノミスト調査によれば、 来週発表される3月の米小売売上高と消費者物価指数はいずれもプラス 回復が見込まれている。前月は両指標ともにマイナスとなっていた。

みずほセキュリティーズUSAの米国債トレーディング責任者、ジ ェームズ・コンビアス氏(ニューヨーク在勤)は「きょうはすっかり株 価と原油次第の展開となっている」と指摘。債券は「今週を通じて著し く上昇してきたため、若干の下げは意外ではない」と述べた。

ブルームバーグの世界債券指数によると、米国債の過去2週間のリ ターンは1.3%と、2週間のリターンとしては1月15日終了週以降で最 大。米金融当局が世界経済をめぐるリスクの高まりを警告したことが背 景にある。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の1.72%。同年債(表面利率1.625%、償還2026年2 月)は1/4下げて99 5/32。

同利回りは週間ベースでは5bp低下。先週は13bp下げていた。

BMOキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、アーロン・ コーリ氏は「債券はこれまで買われてきたより小幅な売りにとどまって おり、市場のバイアスがなお不安の方に傾いていることを示唆してい る」と述べた。

米連邦準備制度理事会(FRB)元議長のアラン・グリーンスパン 氏は7日、金融政策決定において当局者らは世界の動向を考慮に入れな くてはならないとの見解を示した。今週公表された連邦公開市場委員会 (FOMC、3月15-16日開催)議事録によると、世界の成長減速で米 国の輸出が抑制される恐れがあるとの懸念が表明された。

原題:Treasuries Fall as U.S. Growth Collides With Woes of Wider World (抜粋)

◎NY金:続伸、週間では1カ月ぶり上昇-成長懸念で逃避需要

8日のニューヨーク金先物相場は続伸。週間ベースでは3月初め以 来の上昇。世界的な経済成長をめぐる不透明感を背景に逃避資産とされ る金の妙味が高まった。

ヘレウス・メタルズ・ニューヨークのセールス・マーケティング・ マネジャー、ミゲル・ペレスサンタラ氏は電話インタビューで、「景気 に関する懸念はまだ非常に強い。金が買われているのはそのためだ」と 指摘。「これはすべて米金融当局の利上げ見送りにつながる。経済が利 上げを乗り越えられるという確信が当局にはないからだ」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前日 比0.5%高の1オンス=1243.80ドルで終了。週間では3月4日終了週以 来の上昇。

銀先物5月限は1.5%上げて15.384ドル。ニューヨーク商業取引所 (NYMEX)のプラチナとパラジウムも値上がりした。

原題:Gold Posts First Weekly Gain in a Month on Growth Concerns (抜粋)

◎NY原油:急反発、2カ月ぶり大幅高-米生産減少を好感

8日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が急反発し、2カ月ぶりの大幅高。米国 での生産減少が続いていることを好感した。ベーカー・ヒューズのデー タによると、米国の石油リグ(掘削装置)稼働数は今週、2009年以来の 水準に減少した。17日にはドーハで生産調整をめぐる産油国会合が開か れる。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「17日 の産油国会合が市場にどのような意味合いを持つものになるのか、落ち 着きのないムードが高まっている」と指摘。「相場はいまだに40ドルを 下回るレンジにある。これを抜ければ非常に強気な示唆となるだろう」 と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日 比2.46ドル(6.60%)高い1バレル=39.72ドルで終了。2月12日以来 の大幅高。週間では8%の値上がり。ロンドンICEの北海ブレント6 月限は2.51ドル(6.4%)上げて41.94ドル。

原題:Oil Rises Most in Two Months on U.S. Output Drop, Freeze Talks(抜粋)

◎欧州株:2月来の安値から反発-銀行株と石油・ガス株が高い

8日の欧州株式相場は反発。前日に2月以来の安値を付けた指標の ストックス欧州600指数は、銀行株と石油・ガス銘柄を中心に値上が り。週間ベースは下げ幅を縮めたものの、2014年以降で最長の4週続落 となった。

ストックス600指数は前日比1.2%高の331.86で終了。業種別指数の ほぼ全てが上げる展開で、イタリアの銀行を中心に銀行株指数は約1カ 月ぶりの大幅上昇となった。原油相場が今週堅調だったことを背景に、 石油・ガス銘柄は3%余り上げた。

KBCアセット・マネジメントの投資運用部門責任者、ダーク・テ ィールズ氏(ブリュッセル在勤)は「現在の相場は非常に予測しづら い。リスク意欲が高まる時もあれば、マイナス要因が誇張されることも ある」と発言。「決算シーズンが良ければ状況は変わるかもしれない が、今はちょっとしたことで市場はすぐ神経質になる」と語った。

イタリアの銀行では、ウニクレディトが9.7%高と、2月以来の大 きな値上がりを演じた。ポポラーレ・デレミリア・ロマーニャとモン テ・デイ・パスキ・ディ・シエナも大きく上げた。同国株の指標である FTSE・MIB指数は4.1%上昇で、約1カ月ぶりの大幅高。西欧の 主要株価指数の中で最も上げた。

原題:Banks Lead Rebound in Europe Stocks, Trimming 4th Weekly Losses(抜粋)

◎欧州債:スペイン10年債、7日ぶり上昇-市場安定化の兆し

8日の欧州債市場ではスペイン10年債が7営業日ぶりに上昇した。 株価反発と原油値上がりで、いわゆる周辺国債などの高リスク資産の需 要が高まった。

前日は2012年7月以降で最長の続落となり、利回りが6週間ぶり高 水準に達していた。景気回復は勢いを欠き、政治混乱やイタリアの一部 銀行のバランスシートの健全性をめぐる懸念で域内見通しは暗いにもか かわらず、この日はイタリアとポルトガルの国債も買われた。欧州中央 銀行(ECB)当局者は今週、景気支援とインフレ押し上げに向け、追 加緩和も辞さない構えを強調した。

DZ銀行(フランクフルト)の金利アナリスト、クリスティアン・ レンク氏は「プラスの値動きは他の市場動向の影響によるものだ」と発 言。「原油相場が極めて重要な要因となっており、前日の安値から明ら かに上向いて株式相場も押し上げた」と続け、「週末にかけてのリスク 意欲の回復」も周辺国債の値上がりにつながったと語った。

ロンドン時間午後4時13分現在、スペイン10年債利回りは前日比8 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.53%。前週末から の上げ幅は9bpに縮小。7日には2月24日以来の高水準となる1.63% に達していた。同国債(表面利率1.95%、2026年4月償還)価格はこの 日、0.72上げ103.91。

欧州債の指標とされるドイツ10年債利回りは1bp上昇し0.10%。 スペイン10年債の利回り上乗せ幅(スプレッド)は前週末から12bp拡 大し142bpとなった。

イタリア10年債利回り は7bp下げて1.32%、同年限のポルトガ ル国債利回りは6bp低下し3.35%となった。

原題:Spain’s Bonds Halt Longest Slump Since 2012 as Markets Stabilize(抜粋)

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