円反落、財務相らの円高けん制発言で売り優勢-対ドル108円後半

更新日時
  • 一時108円99銭まで円売り進む、前日の海外で1年5カ月ぶり107円台
  • ドル・円は下値リスクが高い状況が続きそう-BofAの岩崎氏

8日の東京外国為替市場では円が反落。麻生太郎財務相らから円高けん制発言が相次ぐ中、前日の急激な円高進行の反動もあり、円売りが優勢となった。

  ドル・円相場は一時1ドル=108円99銭までドル買い・円売りが進み、午後3時45分現在は108円74銭前後。麻生財務相は午前の閣議後会見で、前日の海外市場で1年5カ月ぶりとなる107円台まで円高が進んだことについて、一方向に偏った動きだとし、「場合によっては必要な措置を取る」と述べた。

  バンク・オブ・アメリカ・エヌ・エイ外国為替本部の岩崎拓也営業本部長は、五十日(ごとおび)でドル買い需要が見込まれたことや短期の利食いでドル買いが優勢だったところに、財務相の円高警戒コメントがドル買い・円売りの流れを後押ししたが、それ以外に新たな買い手は不在で「上昇幅は限られる公算が大きい」と指摘。表面的には5月下旬の主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議まで介入は難しいとみられる中、「ドル・円は下値リスクが高い状況が続きそう」と語った。

  米国の追加利上げ観測の後退に加えて、日本の為替介入に対する懐疑的な見方が広がる中、今週に入り外国為替市場では円高が加速。7日には対ドルで109円台後半から一時107円67銭と2014年10月27日以来の水準まで円高が進んだ。

  麻生財務相はこの日の会見で、為替相場について急激な変化を最も望まないと述べた。朝方には財務省幹部が「投機的な動きがある」と発言。菅義偉官房長官は閣議後会見で、為替市場の動向を緊張感を持って注視し、場合によっては必要な措置を取ることにしたいと話した。

  クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は、「ドル・円は大幅続落の後できょうは自然反転しやすい日柄」とした上で、麻生財務相のけん制発言の表現が変わっていることも注目で、「より警戒度が増している」と指摘した。

  ユーロ・円相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=122円55銭と3月1日以来の水準まで円高が進行。この日の東京市場では123円86銭まで円売りが先行し、同時刻現在は123円62銭前後となっている。 

105円視野

  自民党の稲田朋美政調会長は香港でのブルームバーグのインタビューで、為替相場の動きについて、あまりにも急激な変動はよくないとし、必要があれば必要な措置をとるとした一方、為替介入については、現時点というよりもう少し見ていくと述べた。

  朝方発表された2月の経常収支は2兆4349億円の黒字となった。予想は2兆323億円の黒字だった。

  みずほ銀行のトレーダー、日野景介氏(ニューヨーク在勤)は、ドル・円は今週だけでも4円落ちており、週末を前にいったんは買い戻しの動きになるかもしれないが、「チャート的には110円をブレークして次のサポートは105円までないという状況」と説明。同水準は「100-105円レンジまで突き抜けるのか、105-110円レンジでやはりとどまるのか」を占う上で重要なポイントであり、「そこまで1回は試しに行かないと、この相場は終われないのではないか」と語った。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE