ダイセル株、5年ぶり下落率-ホンダがエアバッグ不具合でリコール

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  • 衝突時エアバッグ展開せず、運転席の男性が腕骨折-因果関係調査
  • ダイセルのインフレータが不適切燃焼、同社はタカタ代替部品も生産

ダイセル株が急落、5年ぶりの日中下落率となった。ホンダは、エアバッグの不具合で軽自動車「ライフ」と「アクティ」計14万2679台のリコールを7日に国土交通省に届け出ていた。ダイセル製のインフレータ(膨張装置)を搭載したエアバッグが衝突時に展開しなかった不具合があり、ドライバーが負傷した。

  ダイセル株は8日、大幅安で取引を開始。一時2011年3月以来の日中下落率となる前日比10%安の1286円まで売り込まれたあと、同6.7%安の1338円で取引を終えた。

  国交省やホンダによると、事故は15年6月に発生。衝突の際にガス発生剤を燃焼させる火薬が不適切だったために点火せず膨らまなかった。乗客がけがを負った。事故報告はこの1件だけで、海外でのリコール対象車はないという。

  ホンダ広報担当の福嶋美慧氏によると、事故は富山県で発生。衝突時にエアバッグが開かず、運転席の男性が左腕を骨折した。事故と負傷の因果関係については特定されていないとし、引き続き調査しているという。タカタによる一連のリコールとは別の事象で無関係としている。

  福嶋氏によると、インフレータはダイセル製、エアバッグ自体は日本プラスト製と明らかにした。調査の結果、インフレータに用いられた火薬の燃焼速度が不適切だったため、展開しなかったことが分かったという。

  エアバッグをめぐっては、国内シェア首位のタカタの製品で衝突の際に異常破裂する不具合があり、世界で数千万個規模の大量リコールにつながっている。タカタ製のエアバッグはインフレータに爆発力の強い硝酸アンモニウムと呼ばれる物質を使っており、世界で10人以上の死者と100人以上の負傷者が出ている。

  タカタ製エアバッグのリコールの交換部品用として、インフレータのガス発生剤に硝酸グアニジンと呼ばれる物質を用いているダイセルなど競合他社の部品も採用されていた。

  ダイセル広報担当の廣川正彦氏は電話取材に、リコール対象のエアバッグインフレータが自社製であったことを確認。「リコールについては誠心誠意対応する」と話した。インフレータの不具合でエアバッグが展開しなかったことによる負傷事故はこれまでなかったとしている。

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