【日本株週間展望】下値固め、為替動向に神経質-業績懸念と割安交錯

4月2週(11ー15日)の日本株は下値を固める展開となりそうだ。1年5カ月ぶりのドル安・円高水準にある為替動向に神経質にならざるを得ず、決算発表が始まる月末に向け、国内企業業績に対する警戒感は強い。一方、新年度入り後の急激な下げで投資指標面からは割安感も浮上、株価収益率(PER)や株価純資産倍率(PBR)の低さは相場を下支えする可能性がある。

  7日の海外為替市場で、ドル・円相場は一時1ドル=107円台と2014年10月以来のドル安・円高水準を更新した。8日の閣議後会見で麻生太郎財務相は、「場合によっては必要な措置を取る」と発言するなど政府首脳から円高けん制の動きも出始めたが、市場では節目の105円を意識する声が聞かれ、円高進行への懸念はなおくすぶる。14、15日には米ワシントンで20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議が開かれるため、会合での声明内容や要人発言には投資家らも注目している。

  大和証券によると、アナリストの業績予想の変化を示すリビジョン・インデックスは16年度がマイナス35%と、前の週から16ポイント悪化した。為替前提は1ドル=115円で、円高水準にある現状との乖離(かいり)で下方修正が出ているという。円高と業績悪化の連鎖に警戒感が強い半面、東証1部の予想PERは14.93倍、PBRは1.08倍とそれぞれ過去半年の平均である15.82倍、1.22倍を下回っており、ここから一方的な売り圧力も高まりにくい状況にある。

  第2週の日本株に影響を与えそうな材料は、国内では11日に2月の機械受注、海外では13日に米国で3月の小売売上高や地区連銀報告(ベージュブック)、15日には中国で1-3月期の国内総生産(GDP)、3月の鉱工業生産の発表が予定されている。第1週の日経平均株価は週間で2.1%安の1万5821円52銭と続落。円高傾向が嫌気され、6日には12年11月以来の7日続落を記録した。ただし、オプションの特別清算値(SQ)算出後の需給好転期待などから、週末にかけてはやや持ち直した。

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≪市場関係者の見方≫
●野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジスト
  円は独歩高の状況で、日本銀行の追加緩和前の1ドル=105円台がドルの下値めど。今のスピードでドル安・円高が進めば、政府がアクションを取ることに国際的な理解も得やすい。円高の流れを止めるには、政策当局から明確なメッセージが出てくる必要がある。日本株は割安圏にあり、為替が下げ止まり、業績の底が見えれば、バリュー投資家は買ってくる。

●みずほ信託銀行の荻原健チーフストラテジスト
  米国の年内利上げゼロとの見方が後退しないと、円高圧力は弱まらないだろう。日本企業の今期業績に対する市場の見方が定まるまで日本株は買いづらく、悪い内容でも企業のガイダンスを確認することが重要だ。12日に発表されるIMF(国際通貨基金)の世界経済見通しに注目している。下方修正が見込まれているが、修正幅によっては株価にネガティブに働く恐れがある。日経平均は1万5000円台前半まで下げる可能性がある。

●第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミスト
  円高傾向を背景に製造業の業績悪化懸念がまん延しており、セリング・クライマックスがくる可能性もある。日経平均の週間安値は1万5000円付近、2月の直近安値がめどだ。日米の名目金利差が縮小しやすいことが一段の円高リスクを秘める。実際、米国経済の持ち直しから将来利上げの思惑が高まっても、為替はドル高・円安方向に反応しない。市場はその先のリスク回避を警戒し、FOMCによる昨年12月の利上げ、年明け以降のグローバルなリスク回避となった流れを想起している。
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