郵船:原油安の中、M&Aで海洋開発の専門分野を強化へ-年度内にも

  • 将来的な安定収益の確保と事業の差別化が狙い
  • M&Aや提携「ことしは一番のチャンス」、FPSO関連で可能性

国内海運最大手の日本郵船は、原油価格の下落を契機と捉え、海洋エネルギー開発事業を強化する。海外で企業の合併・買収(M&A)や提携を加速する方針だ。将来的な安定収益の確保と事業の差別化が狙いで、専門技術や競争力を備えた企業が対象となる。年度内にも具体的案件の実現を目指す。

  長澤仁志専務はブルームバーグとのインタビューで、原油価格の下落で開発・運営コストが高いオフショア(海洋油田)関連の企業は「資金難からアセットの処分を迫られる可能性がある。そうした想定でM&Aの研究をしている」と述べた。投資額は数百億円規模に上る可能性があるという。

  2014年6月に1バレル=107ドル台の高値を付けた原油価格は16年2月には一時26ドル台と4分の1に下落。地上開発に比べ掘削や運搬に技術が必要な海洋開発は採算が悪化しており、規模縮小や開発延期・中止などが相次いでいる。こうした中、日本郵船はM&Aを活用して柱である商船以外の事業の強化を目指す。

  長澤専務はM&Aや提携について「ことしは一番のチャンスだ」と述べた。対象となる企業は「FPSO(浮体式海洋石油・ガス貯蔵積出設備)関連事業で、海底パイプライン敷設や油田採掘の関連技術、海底資源探査の会社などいろいろな可能性がある」と語った。専門技術があってこそ参入できる成長マーケットを狙う。

  また世界の海洋開発事業は「必ず回復し、拡大する。そのとき特殊技術は必要になる」と指摘。10年にノルウェーのシャトルタンカー会社に出資した例を「M&Aのサクセスストーリであり、今も順調に成長している」と振り返った。その上で「現状はリーマンショックと同じような状況ではないか。海洋事業で将来必要な技術を身に付けるためにも引き続き検討を重ねていく」と述べた。

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