円相場について強気派と弱気派が同意できるのは、介入の引き金となる水準が近づいているということだ。それは1ドル=105円程度かもしれない。

  バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチの山田修輔チーフFXストラテジストと野村証券の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストはいずれも、1ドル=105円を当局が介入を考える水準とみている。山田氏は今年さらに8%の円上昇を見込み、池田氏は11%下落を予想している。円は7日、日本当局者らの口先介入にもかかわらず、一時1ドル=107円台を付けた。

  介入の効果についてアナリストらの意見は分かれているが、口先介入はこれまでのところ奏功していない。円の1月末以降の約12%上昇は世界最大で、政府が目指すインフレ押し上げを困難にする。

  山田氏は1ドル=105円の水準では現実的な介入の可能性があるとし、100円まで円高が進めば介入の確率は50%を超えるとの見方を示した。

  菅義偉官房長官と日本銀行の黒田東彦総裁を含め日本の当局者らは市場を注視しており必要なら行動すると言明しているが、実際の介入は2011年の東日本大震災・津波後の時期が最後だ。安倍晋三首相は今週、恣意(しい)的な為替市場への介入は慎まなければならないと発言したと報じられている。

  池田氏は、主要7カ国(G7)の一員である限り介入には米国の承認が必要だと指摘。1ドル=105円になるまでは、正当化は難しいだろうと語った。

  「ミスター円」と呼ばれ通貨政策で手腕を発揮した元財務官の榊原英資青山学院大学教授は100円突破を介入の条件とみる。JPモルガン・チェース銀行の佐々木融市場調査本部長の見解では95円が引き金となる水準だ。同氏は現在の環境での購入は無益だとみている。

  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニットの細川陽介為替セールスチーム長は、外為トレーダーが介入の兆候を警戒しながら円に上昇圧力をかけ続けるだろうとして、当局の行動の意思を試しているようなものだと指摘した。

原題:Yen Surge Turns 105 Per Dollar Into Next Intervention Flashpoint(抜粋)

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