米資産運用アポロの住宅事業、低所得者を「食い物」にと他社が敬遠

  • 「売り手調達型」住宅プログラム、低所得地域で広がる
  • 関わると評判を落とすと他社は距離を置く

米国でサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンがほぼ姿を消して8年。それでも、こうした個人が住宅を購入できる道は残っている。形だけの頭金を払い毎月の返済さえ続けていれば、長くて30年後には住宅の権利が手に入る。しかし一度でも返済を怠れば住宅は取り上げられ、これまでの支払いがすべて水泡に帰すことが決められている。そんな契約だ。

  所得の低い買い手がこうした悲しい結末に至るケースは少なくない。この仕組みにアポロ・グローバル・マネジメントが資金を出している。

  1700億ドル(約18兆3900億円)を運用するアポロにとって、このビジネスへの関与は小規模でしかない。しかし同社が「売り手調達型」と呼ぶ住宅購入の仕組みに対し、名のある投資会社の多くは距離を置いている。この取引を直接知る6社の関係者らによれば、関与すれば評判を落としかねないとの心配が一部の投資会社で広がっており、実際に取引に関わる地元企業グループへの信頼は低い。

  2020REIグループ(テキサス州ダラス)のティム・ヘリエージ最高経営責任者(CEO)は「そもそもが略奪的な取引だ」と批判する。テキサス州の不動産会社のパートナーでもある同氏は、2006年まではこの仕組みを使っていたと話す。「私にはもはや容認できない。住宅保有者としての責務はすべてあなたにありますが、保有の権利は与えません、と言っているも同然だからだ」と述べた。

  08年の金融危機後に新しくなった金融システムの中で、住宅購入を含め比較的規制の緩い金融契約がはびこっている。大手銀行が住宅ローンから撤退し、高リスクの借り手のための市場が消え去った後の空白を、アポロのようないわゆるシャドーバンクが埋めている。契約の名称は土地売却だったり、譲渡証書契約、権原約定など様々だが、実態はどれも同じだ。低所得者には長く困難でも自分の家を手に入れる道が開けるが、住宅ローンを本来受けられないこうした買い手から投資家がお金を巻き上げることができる。

  資産家のレオン・ブラック氏率いるアポロは、住宅ローン投資信託を通じて14年にこのプログラムを始めた。一戸建て住宅の購入とリフォームに4000万ドル以上を投資している。

  アポロの広報担当者、チャールズ・ゼレン氏は住宅売却プログラムについてのコメントを控えた。

原題:Apollo’s Push Into a Lending Business That Others Call Predatory(抜粋)

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