NY外為:円が対ドルで1年半ぶり高値、介入リスク臆せず買い

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7日のニューヨーク外国為替市場で円が上昇し、一時は1ドル=108円を突破して、約1年半ぶりの高値をつけた。円への逃避需要が見られるほか、日本の通貨当局が為替介入に消極的であることから円は買いを集めた。

  日本の財務省幹部は為替相場について、場合によっては必要な措置を取ると述べ、円の急伸について、一方に偏った動きだと述べた。円は主要16通貨のすべてに対して1%以上値上がりしている。

  HSBCホールディングスの米通貨戦略責任者、ダラフ・マー氏(ニューヨーク在勤)は財務省幹部の発言について「引き金を引く前に聞かれる類いの発言だ」と指摘。「それでも市場はひるまず取引に積極的だ」と述べた。

  ニューヨーク時間午後5分現在、円は対ドルで1.4%上昇の1ドル=108円21銭。対ドルで5日続伸している。この日は一時107円67銭と、2014年10月下旬以来の高値に上昇した。日銀はこの数日後に予想外に量的緩和策を拡大した。 

  JPモルガン・チェースによると、年度初めに伴い日本の輸出企業による海外利益の本国送金(レパトリエーション)も円買いを支えた。

  ウニクレディトの為替戦略責任者バシレイオス・ギオナキス氏が円はなお割安だとみている。同氏はロンドンで行われたブルームバーグ主催の会議で「円は著しい過小評価を抜け出しつつある」と述べ、同銀の考える「フェアバリューは95円程度だ」と指摘した。

  一部のアナリストは円が節目となる水準を突破すればさらに上昇の弾みがつくとみている。

  バークレイズの為替ストラテジスト、ニコラス・スゴロプロス氏は「ドル・円相場が110円や105円付近の節目となる水準を突破し、持続的な急下降リスクが高まれば国内の顧客による円買いが続くとみている」と述べた。バークレイズによれば、ドルは今四半期内に1ドル=105円に下げる可能性がある。

  円はユーロに対して1.6%高の1ユーロ=約123円10銭。ユーロは対ドルで0.2%下げて1ユーロ=約1.1380ドル。欧州中央銀行(ECB)のコンスタンシオ副総裁はブリュッセルの欧州議会での証言で、インフレを目標水準に戻すためECBは「必要なあらゆる措置を取る」と表明した。

  菅義偉官房長官は7日午前の定例会見で、「過度な変動は悪影響を与える。緊張感を持って注視している」と発言した。

  CIBCワールド・マーケッツの外為戦略エグゼクティブディレクター、バイパン・ライ氏(トロント在勤)は「日銀が介入するハードは高い。しかしこのような相場の動きを日銀が静観しているというのも考えにくい」と述べ、「105円が節目の水準である可能性はある」と続けた。

原題:Yen Rallies to 1 1/2-Year High as Traders Defy Intervention Risk(抜粋)

(相場を更新し、第5段落以降を追加します.)
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