欧州中央銀行(ECB)の当局者らは7日、景気見通しに対する新たなリスクが生じた場合はさらに一段と金融を緩和する用意があることを強調した。

  ドラギ総裁はリスボンで、活用できる手段はまだふんだんにあると言明した。ただ、当局者らは財政を直接支援する「ヘリコプターマネー」については否定した。

    ドラギ総裁はこの日公表されたECBの年次報告書の序文で、過度の低インフレに当局が屈することはないと表明。その上で「われわれは世界経済見通しに関する不透明感に直面している」とし、「ディスインフレ圧力が続いているし、欧州の方向性のほか、衝撃に対する同地域の耐久力についての疑問にも直面している。このような環境の中で、ECBの責務に対するわれわれのコミットメントは欧州市民の信頼感を引き続きつなぎ留めるだろう」と記している。

  チーフエコノミストのプラート理事はフランフルトで「負の衝撃がさらに生じる場合には、逆風の強さの度合いに合わせて政策を再度調整することが可能であり、起こり得る副作用も考慮する」と述べた。コンスタンシオ副総裁はブリュッセルの欧州議会での証言で、インフレを目標水準に戻すためECBは「必要なあらゆる措置を取る」と表明した。

  同時に、コンスタンシオ副総裁とプラート理事はともに、ヘリコプターマネーはいかなる形でも議題に上がってはいないと強調した。

  プラート理事は2016年3月に発表した量的緩和(QE)拡大を含めなくても、それまでの措置がなかったシナリオに比べた場合、「われわれの措置は生産とインフレにかなり大きな支援を提供してきた」と語った。

  さらに「低インフレが続いたとしても、これは政策が効果的でなかったからというよりは、この間に新しい衝撃が経済を襲ったためだ」と解説。「これまでの措置の強化は従って、逆風の強まりに対する適切な対応だった」と論じた。

  コンスタンシオ副総裁は「われわれが今認識している問題の一つは二次的影響が見られることだ。つまり、総合インフレ率がマイナスである状況が、エネルギーや食品の価格を除いたコアインフレ率に悪影響を与えつつある」と語った。

原題:ECB Underlines Readiness to Boost Stimulus Again If Risks Arise(抜粋)
ECB Underlines Readiness to Act Amid Europe’s Manifest Fragility
Praet Says Helicopter Not Even Informally Discussed at ECB
Helicopter Money Not on Table in Any Shape, Form: Constancio

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE