JPX400企業、スチュワードシップに評価交錯-GPIFが調査

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日本版スチュワードシップ・コードが導入された後の機関投資家の姿勢について、日本の主要上場企業は経営戦略などに対する質問が増え、肯定的に受け止めている半面、好ましくない変化もあると感じていることが年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の調査で分かった。

  GPIFが7日に公表した「機関投資家のスチュワードシップ活動に関する上場企業向けアンケート集計結果」は、JPX日経インデックス400の構成企業を対象とした。それによると、回答企業の約6割が経営戦略やESG(環境、社会、ガバナンス)に関する質問が増えたことを肯定的に捉えている半面、実績づくりのための形式的・画一的な質問が増えたほか、経営者との面談を強要するケースが増えた点などは好ましくない変化と指摘した。

  資本政策や資本効率に関する機関投資家からの質問が増えたことについては、「好ましい変化」「好ましくない変化」にそれぞれ挙げる企業が多く、評価が分かれた。企業が機関投資家に期待する点では、投資家の短期志向に対する懸念が強く、「中長期的な視点」や「より深い企業理解」などを挙げる声が多かった。

  社団法人・会社役員育成機構のニコラス・ベネシュ代表理事は、今回の調査対象としたのは「日本の最も良い企業と言われている」と指摘。その上で、「アセットマネジャーと企業の両方にコーポレートガバナンスやコードに対して誤解がある。多くのケースではまだアマチュアの段階」との認識を示した。

  アンケートでは、機関投資家の好ましい変化として経営戦略・中長期的視野に立った質問が増えた(36%)、ESG(ガバナンス)に関する質問が増えた(29%)、資本効率・資本政策に関する質問が増えた(21%)などと回答。一方、好ましくない変化としては、形式的・画一的な質問が増えた(34%)、資本効率・資本政策に関する質問が増えた(32%)、面談を強要するケースが増えた(17%)などが挙げられている。

  ベネシュ代表理事は、「アセットマネジャーはエンゲージメント(対話)に対しまだ慣れていない。数十年もやってきたもたれ合いを変えるのは難しいことだ」と言う。エンゲージメントに臨む企業側についても、「30年間もやってきたのに急に変えろと言われても、どの企業も嫌がるだろう」と話している。

  同調査の回答企業は260社(回答率65%)で、回答期間は1月6ー22日。GPIFはスチュワードシップ活動全体のレベルアップを図ることを目的に今回のアンケートを実施した。

(4段落以降に関係者見解を追記します.)
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