LNG戦略を4月中にも策定、20年までに国内でハブ市場-経産省

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  • ハブ市場でアジアの価格指標も形成-原油価格連動に終止符目指し
  • 18年までは市場形成の絶好の機会-海外需要増に対し国内は余剰感

経済産業省は、液化天然ガス(LNG)が活発に取引される市場を国内で形成するための戦略を早ければ4月中にも策定する。過剰なLNGの調達に対する懸念を解消することや、国内需給を反映した国際的な価格指標作りを支援するのが狙い。政府関係者が明らかにした。

  経産省は、LNG取引の活性化に向けて民間企業とともに2015年11月にLNGマーケット研究会を設立し、3月末まで5回の会合を開催。この会合でまとめた報告書をベースに戦略を策定する。

  ブルームバーグが入手した同研究会の報告書によると、電力、ガス会社など国内の需要家が数年先まで過剰なLNGの調達に直面する可能性がある一方で、世界的には新興国を中心にLNG需要の増加が見込まれている点を指摘。米国やオーストラリアで新たなLNGプロジェクトの生産が開始することから、16-18年は日本国内に流動性の高いLNG市場を形成する「絶好の好機」との見解を示した。20年までに日本にLNG取引のハブ市場を形成することを提案している。

  5月1日から福岡県北九州市で開催される主要7カ国(G7)エネルギー大臣会合でも、流動性の高いLNG市場の構築が議題の一つとなっていることから、それまでに戦略が策定されれば日本側の主張のベースとなる。

  研究会の報告書には、ハブ市場での取引を活性化し価格変動を抑制しつつ、日本の需給を反映したアジアの指標となるLNG価格の形成を目指す方針も盛り込まれている。パイプライン網が発達し天然ガスの価格指標を持つ欧米とは異なり、天然ガスを液化したLNGの輸入に頼るアジアでは指標となるLNG価格がないことから、現状では原油価格連動でLNGの価格を決定するケースが多い。

  原油価格はLNGの需給を反映せずに原油の需給要因で価格が変動するため、ハブ市場を形成することで、アジアプレミアムと呼ばれる原油価格高騰時に生じる欧米の天然ガス価格との格差解消が狙いだ。

  大阪ガスの本荘武宏社長は7日に都内で会見し、LNGの調達について「短期的、中期的にはややオーバーコミット気味」だと話した。過剰な供給を解消するため、他社向けにLNGを販売している。「海外も含め、トレーディングでもうけを出さないといけないので必死になって努力している」と述べた。契約内容や原油価格次第では、調達価格が販売価格を上回る「逆ざや」になる可能性を指摘し、「そうならないように頑張ってやらないといけない」と指摘した。

  LNGマーケット研究会には、世界最大規模でLNGを輸入する東京電力ホールディングス中部電力の火力発電用燃料調達などの合弁会社JERA(ジェラ)や、世界でLNG事業を手がけるロイヤル・ダッチ・シェルの日本法人、大阪ガス、国際石油開発帝石三井物産など民間企業13社が参加していた。

(大阪ガス本荘社長のコメントを第6段落に追加して更新します.)
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