Fリテイリ株、5年ぶり日中下落率、暖冬で今期予想を再下方修正

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  • 純利益予想を前回の1100億円から600億円に減額、営業利益予想も減
  • 「何年かに1回の大ネガティブサプライズ」とJPモルガンの村田氏

アジア最大のアパレルチェーン、ファーストリテイリングの株価が急落している。7日に今期(2016年8月期)の純利益見通しを前回予想の1100億円から600億円に下方修正した。市場予想も下回る。国内ユニクロ事業が暖冬で不振のほか、アジアの景気減速や為替差損の発生などで、1月に続き2回目の下方修正を強いられた。

  8日の取引で一時、前日終値比13%安となり、11年3月以来の日中下落率となった。午後1時56分現在、同12%安の2万6720円で取引されている。

  純利益予想は前期(15年8月期)実績比で45.5%の減少となる。ブルームバーグが集計したアナリスト14人による予想平均は1047億円だった。営業利益予想も1800億円から1200億円(市場予想1686億円)に下方修正した。売上高予想は1兆8000億円(同1兆8138億円)で据え置き。業績下方修正に伴い、今期の年間配当を当初予想の370円から前期並みの350円に減配する。

国内外とも苦戦

  上期(15年9月-16年2月)は、国内で暖冬や値上げによる客離れが進み、既存店の客数は1月以外は前年割れが続いた。国外では中華圏や韓国で暖冬や景気減速の影響を受け減益となり、米国の赤字幅も拡大。また期末の為替レートが円高方向に振れたため、為替差損228億円を計上した。下期(3月-8月)は国内や米国などで計210億円の店舗減損を見込むほか、中国以外のアジアで厳しい状況が続くと予想、通期業績予想を下方修正した。

  JPモルガン証券の村田大郎アナリストは7日、決算結果について「国内、海外の全セグメントで悪かった」とし、「この何年かに1回の大ネガティブサプライズ。株価も大きく下がり、ストップ安になってもおかしくない」と話した。

  15年9月-16年2月の純利益は前年同月比55.1%減の470億円。上期は減益だった海外ユニクロ事業は、下期に営業増益と見込むが、通期では減益の見通しだ。

拡大戦略は維持

  世界アパレル製造小売り首位を目指すFリテイリは、20年度の売上高5兆円、営業利益1兆円という目標を掲げている。これは売上高で今期見通しの2.8倍、営業利益で同8倍超に当たる。

  柳井正会長兼社長は7日の記者会見で、この目標について「まだ届く可能性はある。たとえ届かなくても掲げ続けたい。達成できる目標だと思う」と堅持する姿勢を示した。拡大戦略として「買収をしていく方針には変わりがない」と述べ、欧州などで良いブランドがあるとの見方を明らかにした。

  期中に為替相場が円高に振れたことで、海外からの利益が減少したり、海外子会社の仕入れコストが上昇するなど収益圧迫要因となっており、岡﨑健最高財務責任者(CFO)は円高がさらに進めば、為替損が出る可能性を指摘した。

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