円は年末に103円へ、110円での介入は無益-JPモルガン予想

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  • 佐々木融氏は無益な介入に政府は慎重になると見込む
  • RBSのモヒウディン氏:110円上回る円高では介入リスク高まる

JPモルガン・チェース銀行の佐々木融市場調査本部長は、1ドル=110円超えの円高リスクを以前から指摘していた。それが現実となった現時点で、円高進行を阻止するための介入は無益になる可能性が高く、政府は慎重になるだろうと言う。

  佐々木氏によれば、今年の円上昇の原動力は輸出企業のレパトリ(自国への資金回帰)であって投機筋の取引ではない。従って、円売りによる相場押し下げは効果薄だろうと、佐々木氏は話す。同氏は年末の103円を予想。また、円相場を押し下げるための口先介入は逆効果だろうとみている。

  「空砲を撃つと、音だけが鳴り響く。最初は皆が驚いても、慣れれば雑音にすぎない」。佐々木氏はこう指摘するとともに、さらなる口先介入は投機筋に円の押し目買いを後押しすることになると述べた。

  円は7日の東京市場で0.8%上昇し1ドル=108円87銭を付けた。菅義偉官房長官はこの日、政府が動きを注視していると3日連続で言明。必要ならば行動するとも述べた。財務省当局者もこれより先、円高をけん制する発言をしていた。日本銀行の黒田東彦総裁は5日に、外為市場を注視すると述べた。

  佐々木氏は昨年12月の120円超の円安時期に、16年中に110円に上昇すると予想。また100円に達するリスクも指摘すると同時に、年度替わりの4月初めのレパトリによる急上昇を見込んでいた。円の上昇は4月に勢いを増した。

  日本の円売り介入は11年の東日本大震災・津波後の時期が最後。日銀は今年1月29日の日銀のマイナス金利導入を決定したが円は年初来、主要16通貨全てに対して上昇している。三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニットの細川陽介為替セールスチーム長は、市場は介入が難しいとの観測の中で日本政府を試しているとの見方を示した。

  英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)のシンガポール在勤のストラテジスト、マンスール・モヒウディン氏は、105-110円の円高水準で介入のリスクが大きく高まるとみているものの、佐々木氏同様、現水準での介入効果に懐疑的な見方をしている。

原題:Yen Intervention Futile at 110 for JPMorgan After Picking Rally(抜粋)

(第4-6段落を追加します.)
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